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〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤル ゴルフクラブ 2018

大堀裕次郎が怪物相手に見習いたい人は

もっとも奥のティを使って、ついに8007ヤードに設定されたこの日。希少なアンダーパーで上がった大堀は、「耐えて、耐えてやったんで、疲れました」と、長い腕をだらりと脱力させた。

7726ヤードで行われた前日の2日目も、かなりのものだったが、逆風が吹いたこの日は「難易度が別物でした」と、嘆息した。
「耐えるゴルフは嫌いじゃない。でも、風が吹くと自分はいつもスコアが悪いから」と、長いコースに対して警戒感は倍増した。

705ヤードの16番パー5は「今日は、フォローでまだ良かった。それより17番のショートのほうがきつかった」。
230ヤードのパー3は、猛烈なアゲンストに対して「ショートでスプーンを持ったのは、初めて」と、そのほか11番(239ヤード)でも3Wを持たされ、絶句した。

4つのバーディで、1打差2位タイに「出来すぎです」とはいってもコースとの格闘だけで精一杯で、V争いをしている実感はゼロ。
「それより耐えるのみ。一喜一憂せずに1日、我慢すること。ただ目の前の1打に集中しただけ」と、この日2人しかいないアンダーパーで回って初優勝のチャンスも、全英予選がかかった初のメジャー切符も、「考えている余裕はない」と、何の手応えも沸いてこない。

「明日も、強い気持ちをしっかり持ってプレーしないと勝てない」と、思えば自然と浮かぶ顔。
50歳のベテランにはもう、当HPでも何度も、様々な選手のエピソードに登場していただいて、本当に恐縮だが大堀も谷口徹に刺激を受けまくっている若手の一人だ。
「今日は、アプローチとパターで拾えた」という小技も、昨年から参加させてもらう宮崎合宿で「谷口さんに聞きまくった」と質問攻めで磨きをかけた。

今年は開幕の頃こそ「若い子とやるのはもうしんどい」と、弱音を吐く大先輩を励ますつもりで「谷口さんには、あと5年は頑張って欲しい」と声をかけたが「谷口さんにとっては暴言やったみたいで・・・」。
「お前は自分の心配しとけ」と、厳しく言った矢先に谷口は、日本プロで涙の大会3勝目。
「僕もテレビを見て泣いたし、あれだけガッツを出していかなきゃダメなんだ、と」。
最終日こそ、谷口ばりのファイトでコースに棲む怪物と格闘する。

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