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ANAオープンゴルフトーナメント 2017

宣伝部長のリポーター。手嶋多一が単独首位に

来月にも49歳を迎える。若手がひしめくリーダーボードでベテランが存在感を示した。通りすがりの同年代に、冷やかされた。「多一は先週、いいもん見過ぎたんじゃないか」と、言った谷口徹の言葉を否定しない。

「確かに、先週はロープの中に入って、人のプレーを見させてもらって勉強になりました」。
今大会の主催者に配慮して「大会名は言えないけれど。先週、ラウンドリポーターをさせてもらった」。
初の日本開催となった米シニアのチャンピオンズツアーは、大先輩の倉本らも活躍する中で、テレビマイクを握ってついて歩いて「ホールによって、球を曲げて打ったり、コントロールしていた」とレジェンドたちのゴルフを目に焼き付けたまま、輪厚に来た。
「今日はよーいどんの1番で1メートルのバーディを獲って良い流れが来た」と初日から、さっそく波に乗った。

相変わらずほとんど練習もしないで、今週はいきなり総取っ替えしたアイアンは、実に10年ぶりに使ったというマッスルバック。
会場に届いたばかりの新クラブは、前日水曜日のプロアマ戦で試しただけでも「打感がいい」と迷いもなくバッグに入れ替え、「仕事きっちり。タイミングは完璧」。翌15日に控えたクラブの発売日に合わせた首位発進には、「うちの宣伝部長です」とメーカーのスタッフも、大喜びの7アンダーは「明日80点で、予選落ちなら笑ってください」と、いつものようにうそぶいた。

最終ホールの9番で、奥から8メートルのバーディトライをねじ込み、初日から頭ひとつ抜けて「今週は、ちょっと上を目指して頑張ろうと思います」。
勢いに任せて、好機をにらんだ。

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