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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2016

石川遼が5ヶ月ぶりの復帰戦。「今週は、弱気な自分との戦いです」

月曜日の9ホールと、5日火曜日のプロアマ戦と、この日6日の練習日のそれぞれ18ホール。この3日で合わせて2.5ラウンドをこなしても、「ピンポイントで痛みや負担が出ていない。それが、凄く良いニュース」と5ヶ月ぶりの復帰戦は、どうにか無事に迎えられそうだ。

腰痛のため、今年2月から長期の離脱を余儀なくされた。
「自分でも、1週間くらい休めば戻れると思っていた」。
症状は、本人が思った以上に深刻だった。
クラブが振れるようになるまで、丸2ヶ月。その後、徐々に使用クラブを長くしていき、4月半ば頃にはアイアンのフルショットはほぼ、遜色なく打てるまでに回復したが、最後までネックとなったのは、本人もこだわりのドライバーだった。

「アイアンは大丈夫なのに、ドライバーで打つとどうしても痛みが出る。アイアンとドライバーで、打ち方が違うせいだ、と。痛みが出る前と、同じスイングで復帰しても、また同じ結果になる。痛みや負担がかからないスイングに、一新しなければいけないと、研究してきた」。

その練習方法も、今までのように「気の済むまで」というような、根の詰め方は出来ない。球数を少なくする分、頭の中でスイングを続けるイメージトレーニングの時間を増やし、クラブ選びにも試行錯誤を重ねて、「たくさんのクラブを打って、それぞれの特性を理解する時間が持てた。試合に出続けていると、“これじゃなきゃ”と、視野が狭くなっていくけど休んだことでそれがなくなったと思う」と、悪いことばかりでもなかった。

以前より、今は5ヤードほど飛距離を失った。
「大きなことを、言える状態ではない」と完全復帰に向けて、まだ手探り状態の中でも、ここ1ヶ月は「自慢じゃないが、週3日のラウンドを続けてきて、ずっと60台が出ている」と一方で、明るい材料もある。

「今週は、弱気な自分との戦い。トライしがいのあるコースで、自分に負けてちゃいけない」。復帰戦ではまず自らを震い立たせる。
戦線離脱の最中に入籍したが、「常にゴルフ優先で動いている。それは結婚しても変わらない」と、心配をかけた。リハビリ中には「いつになったら試合に出られるのかな」との不安も共に、支え続けてくれた夫人もひと安心させたいところだ。

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