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ISPSハンダグローバルカップ 2016

エミリアノ・グリジョは「1週間じゃ物足りない」

「朴選手は昨日から良いプレーをしていたからね。プレーオフのバーディも決めると思っていた」と笑顔で祝福したグリジョ(左)
土壇場で再び、追いついた。16番からの連続バーディで、朴を捉えた。「今日はプレーの内容が悪くて、前半なかなかチャンスにつけることが出来なかったが、なんとかプレーオフに持ち込むことは出来た」。

初出場の日本ツアーで初Vのチャンスを一度は引き寄せたが、朴の会心の一撃の前に倒れた。
グリジョのバーディトライは7メートル。
対する朴は、フェアウェイからわずか1メートルにつけていた。

「決めなければいけないと、プレッシャーになった」。勝てば、日本ツアー初のアルゼンチン選手という快挙を逃して、なおさら名残が惜しくなった。

昨年、結婚したばかりのマリア夫人を伴い自身2度目の日本。「大好きな国だし、1週間じゃ物足りないよ!」。
大会2日目には、夫人と金沢市内まで元気に足を伸ばして兼六園や忍者屋敷を楽しみ、決戦前夜は地元の能登牛に、舌鼓を打った。

今季は“ルーキーイヤー”の米ツアーでさっそく開幕戦を制して、4月にはマスターズ、先週は全米オープン。そして次週はWGCブリヂストン招待に、来月には全英オープン、全米プロと超過密スケジュールも、グリジョとともに、来日したシュワーツェルも「2時間しか寝ていない」と言いながら、最後にはしっかりと5位タイに食い込んできた。

大会主催の一般社団法人国際スポーツ振興協会(ISPS)の半田晴久会長は、そんな彼らを見ていて「旅慣れている」と感心したそうだ。
「彼らのように、時差ボケも気にしなければ大丈夫なのではないか。時差ボケだと反応するから、時差ボケになるのではないか」と表彰式で持論を展開されたが、ゴルフもプライベートも味わい尽くす彼らの姿を頼もしく見ていたそうだ。

「僕も絶対に欲しい」と熱望していた優勝カップならぬ優勝兜。表彰式で、朴ジュンウォンのかたわらで、うらやましそうに兜を触ったり、小道具に持たされた扇子を片手におどけてみせたり、負けても楽しそうだったグリジョ。
「出来れば、優勝して戻って来たかったけど、また招待してもらえたら嬉しい。いつになるか分からないけどまた必ず戻ってくるよ」と約束した23歳。
「優勝は出来なかったけど、この結果は自信になる。今週の疲れは飛行機の中で癒やして、また来週の大会につなげたいと思う」。
若さに任せて、まだまだ世界を駆け巡る。

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