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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2016

金亨成(キムヒョンソン)は父に感謝を届ける3位タイ

天国の父親に見せる好発進だった。2番でボギーを叩いた後の3番で、上りの1メートルの絶好のチャンスをみすみす逃した。
「腹立って、次の4番(514ヤードのパー4)のティショットは凄く飛んだ」。2打目は174ヤードから、7番アイアンで9メートルに乗せたバーディトライをねじ込んだ。
そこから5つのバーディを奪って、66で上がってきた。

今季、未勝利の金には賞金ランク30位で、ぎりぎり滑り込んだこの、今年最後の最強選手決定戦。
自身は痛めた背中の状態が、ついに最後まで思わしくなく「今年は、良いことがひとつもなかった」。

父親を、癌で失ったのは11月。危篤の知らせを受けて、慌てて帰国したが、間に合わなかった。
プロサッカー選手を目指していた息子をたしなめ、ゴルフの道へ誘ってくれた父。
「サッカーは選手生命が短いから、と。ゴルフを始めたのは15歳と遅かったが今は、父の言うとおりにして本当に良かった」と、感謝の気持ちも伝えきれずに逝ってしまった。

消沈の金に、激励のメールが日本から次々と送られてきた。
「孔明さんや近藤さん・・・、たくさんの人たちが“ヒョンソンを応援しているから。頑張って”と。嬉しかった。日本ツアーで頑張ってきて、本当に良かった、と」。
異国の地で育んできた友情さえも、お父さんがくれた大事な宝物である。

そのあと、今度はオモニ(お母さん)が脳溢血に倒れて、一命はとりとめたものの手術をしたり、心労が続いた2016年。
「最後に勝って今年の悪いものが全部、吹き飛べばいいのに」。
最終日こそ、昨年10月以来のツアー通算5勝目を亡き父に、届けられたら。

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