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3年前から地元プロ、小林伸太郎が単独首位に

3日目は雨、風、ときどき晴れ間。めまぐるしく天候が変わる中で、いつのまにかトップに立っていた。「僕は7番、8番、9番あたりが一番苦しかった」。この日は前のティを使った7番パー4では、強いアゲンストの風に、ワンオンできなかった。
8番のパー3ではいつもの4アイアンか、3アイアンか。「攻め方が明確に出来なかった」と、結局4アイアンで、右に逃げてボギーを打った。
なんとかこらえて前半をくぐり抜けると、13番のリーダーボードで自分が首位に立っていることを知った。

「韓国の人が走っていると思っていたので驚いた」。この日、首位で出た韓国の趙炳旻 (チョビョンミン)は、11番のトリプルボギーで陥落していた。思わず自分の名前を二度見して、「ドキドキした。こういうときは、攻めたらいいのか守ればいいのか」。モジモジしたが、最後の18番はしっかりバーディ締めで2打差をつけて、最終日を自身初の単独首位で迎えた。

いまや活躍めざましい東北福祉大の出身で、07年の日本アマ覇者だが、小林にエリート意識はない。その年は、石川遼がツアーで史上最年少Vを飾ったり、大学のひとつ上には池田勇太がいたり、「アマでもすでにプロの試合で活躍する人が、たくさんいた。僕も出させてもらったが、全然通用しないと分かった」。

ツアーの難しいセッティングにとにかく慣れたいと、地道に経験を増やしていく中で、昨年は第二枠ながらやっと初シード入りを果たした。
今度こそ、上位60人の本シード入りを目指す今年はオフの宮崎合宿で、谷口徹に言われた言葉が抑止力だ。
「石にかじりついてでも予選通過をしろ、と。ギリギリの時は、それがいつも頭に浮かぶ」と賞金ランクは52位につける今こそ、強く心に言い聞かす。

群馬県の出身だが結婚を機に、3年前に奥さまの実家がある兵庫県三木市に住まいを構えて、ここABCゴルフ倶楽部は「お隣の市」。
つい3週前には、出場資格がなかった日本オープンの週に「ここで3日間の合宿をさせてもらった」と高速グリーンも事前にかなりの下見済み。
先週のブリヂストンオープン時に恩師、阿部靖彦ゴルフ部監督に「打ち方は、大学時のほうが良かった」と指摘を受けて、今週は特にパットが好調だ。
「シード権が獲れるまでは面倒みてやる」との約束で、4年前に所属契約を結んだ。兵庫県西宮市を拠点に店舗を展開する「焼き鳥まさや」の家田秀海社長は昨晩も電話をくれて「明日も良いところにいたら、予定を全部キャンセルして応援に行く」。
自身2度目の最終日最終組は、恩人の目の前で恩返しが出来るか。

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