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東建ホームメイトカップ 2016

熊本のことで頭がいっぱい。重永亜斗夢は4位タイ

アトムは涙をこらえて、自身2度目の最終日最終組に挑んだ。目を真っ赤にして、上がってきた。
「涙が出そうなくらい。熊本が大好きなので」。
昨晩も、車の中で夜を明かしたという最愛の家族。過酷な避難生活を強いられている故郷の人々。大地震で変わり果てた我が町。
「心配で、考えるたびにうるっときて、涙目になっちゃいます」。

首位と4打差の2位から出た最終日も、「熊本のことを思いながらプレーした」。県勢として「ヘタなプレーは出来ない」と、肝に銘じた。
そんな気持ちとは裏腹に、暴れ狂うショット。
「今は、どこに飛んでいくか分からない状態なので」。

前日の競技後には、テレビ解説で来ていた後輩に指導を仰いだ。「遼は年下だけど。あれだけのレベルと知識の人間。参考にしたかった」と、藁をも掴む思いで、石川にもすがった。

「熊本のことと、自分の調子がわるいのと。それでもなんとかしたいのと。もう頭がごちゃごちゃ」。
スタートを1時間半も遅らせた前夜からの雨。重くなったグリーンもアトムには悩ましかった。
「全然タッチが合わなくて。ずっとショートして、打つとオーバーして」。そのかたわらで優勝争いを繰り広げる2人。
「キョンテも近藤さんも。そんな中でもがつがつと入れてくる。もう2人とも頑張って、と思うぐらいに」。
途中から、傍観者になっていた。
「優勝はしたいけど、今日の2人を見てると無理だなと思った」。
力不足を痛感しながら、最善は尽くした。
プレーオフに進んだ2人には、結局7打も離されたがどうにか4位タイには踏みとどまって「自分なりには頑張れたけど、熊本の人たちにはどう映ったか・・・」。

すぐにでも、飛んで帰りたいが帰れない。心配でならないが、交通網は寸断されたまま。開幕からひとまず3連戦は、家族を熊本に残したまま戦うしかなさそうだ。

戦い終えても、すぐに愛する故郷のことで頭がいっぱい。被災地ではあらゆる物資が不足しており、水1本手に入れるのにも、2時間も3時間もかかったという方もいる。義援金もそうだが、「水とか、物資とか。いま一番必要とされているものを、すぐにでも届けたい」。アトムの悲痛な思いも今は、個人で県外から運び込むのも困難だ。「誰か届けてくれる方がいたら。すぐにでも預けたいのですが」と、訴えた。

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