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東建ホームメイトカップ 2016

近藤共弘は鬼とのプレーオフ敗退にも

最終日は、4打差から追いかけた鬼にも、近藤は付けいる隙を見つけた。「思ったよりも、キョンテの状態は悪かった」。自身のスイングの不安はこの日のスタート前に、テレビのラウンドリポーターとして会場にいた先輩の田中秀道に相談して、解消してあった。
「モヤモヤは取れていた」。
鬼を猛然と追いかけた。
11番でついにその背中を捉えた。終盤で、再び2打差をつけられたが18番で、最初のパットを打ちすぎて、1.5メートルのパーパットを残した庚泰(キョンテ)に、10メートルのバーディパットをお見舞いした。

「セカンドを打つまでは2位狙いだったけど。望みのワンチャンスが出てきた」。土壇場に再び追いつき、サドンデスに持ち込んだ。

近藤にとって、鬼との優勝争いはこれが初めて。「ティショットはほとんどスプーンで打っていたし、相当調子が悪そうな感じがした」。しかし、それこそが鬼の強さと、そのあとの3ホールで近藤は思い知るのである。

プレーオフでもやはり、徹底して刻んできた庚泰 (キョンテ)。3ホール目に持ったクラブは5番ウッドだった。どんな状況でも無理をして打たない。自分が最初に決めたゲームプランを絶対に曲げない。
「僕ならちょっとでも前に、と思って打ってしまう。そこは僕とは全然違って、気持ちが強い。ぶれないのがキョンテの強さだと思った」。38歳が、29歳に根負けした。3ホール目はフェアウェイから確実にグリーン捉えた庚泰 (キョンテ)に対して、近藤は右手前のラフに落とした。
「いっぱいのクラブで右からフック目の持ち球で、と思ったがダウンヒルの分、クラブが届かず、右にすっぽ抜けた。良くあるミスをしちゃったな、という感じ」と、2打目のミスが尾を引いた。
3打目は、グリーンの根元が見えないライから寄せられず、2メートルのパーパットも読み切れなかった。

「しょうがない」とサバサバと、しかし国内開幕戦での好ゲームに、近藤は「興奮」していた。
「課題はいっぱいあるが、これから練習すれば良くなると思えた。集中してやれたし満足度の高い4日間。ここまで良いのは想定外だった」と、収穫の多い開幕戦となったようだ。
鬼との初めての一騎打ちにも「今回、そばで見られてだから、強いんだなと。参考にしていきたい」と、負けても爽快なV争いだったようだ。

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