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HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF 2015

ニクラウスに挑戦! 宮里優作があのとき逃した優勝を取りに

ジャック・ニクラウス監修のコースに来るといつもそうだが、チャレンジ精神をかき立てられる。「コースのロケーションや池の使い方。バンカーの位置。グリーンのアンジュレーション。ここに打って来い、というところに打てないと、ケガをする」。
ニクラウスの誘い文句を無視すると、結果には恵まれない。

「逃げると余計に難しくなるのが、このコースで上に行くには1日中、そういうショットを打っていかなければいけない。息がつけない」。
ミスを引きずっているひまもない。
前半は、2ホール続けて池に入れた。
「3番は、右にフカした。ドロップして、140ヤードを9番アイアンで、右横2メートルにつけてナイスパーも、次のホールでは生かせなかった」。4番でまた池にいれ、ついにダブルボギーを打ったが、「リズムを崩すことなくいけた」。5番、6番とすぐに取り返した。「今日は未来夢(みくむ)には可哀想やったけど」。周囲のバーディ合戦にも乗り遅れることなく、同組の梁津萬 (リャンウェンチョン)と、伸ばし合いに「2人、なんなんすか」ともう一人、同じ組で回ったルーキーの堀川もムクれた64。

ここ石岡ゴルフ倶楽部には、忘れようにも忘れられない思い出が詰まっている。
倉本昌弘が、当時世界記録の59を出した2003年のアコムインターナショナルは、最終日を2位で出ながら、最後の3ホールで3連続ボギーにして10位タイに沈んだ。

「でもあのときは、自分が上手くいかなかったことよりも、嬉しいことがあった」。
妹の藍さんが、女子ツアーの「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でアマVを飾って、自分の結果も吹っ飛んだ。テレビでその瞬間を見届けて、兄の聖志と涙を流した記憶は、今もはっきりと思い出せる。
家族の幸せな思い出に包まれながら、あのとき逃した優勝をもう一度追いかけていく。「明日こそ優勝がかかった場面で、チャンスが作れたらいい。勝つには時の運もあるが、そういうのも自分で作っていければいい」。ニクラウスにも挑み続ける。

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