Tournament article

THE SINGHA CORPORATION THAILAND OPEN 2015

手負いの金亨成(キムヒョンソン)が65をマーク

ワンアジアとジャパンゴルフツアーの共同主管で幕を開けた大会初日は、日本でおなじみの選手が単独首位に立った。韓国の貴公子が、灼熱の国でさわやかに好スタートを切った。インスタートのこの日は10番で、やにわにスーパーショットが飛び出した。151ヤードの2打目は、9番アイアンで「入りかけ」。指で示した距離は、わずかに1センチほど。「ほんと、プロみたいでしたね」とおどけながら、そのあとも好打を連発した。

この日奪った7つのバーディは、「長いのでも4メートル前後」と言い、折り返して最初の1番でもOKバーディを奪うなど、持ち味のアイアンショットがキレまくった。

ここタイは馴染みがある。「いつも仲間と冬の合宿で過ごす場所」。今年も1月から丸1ヶ月を過ごし、暑さにも慣れているはずだが、ただし「この時期に来るのは初めて」と言い、雨期のタイはさすがにきつい。
「あり得ないですね。ハンパない暑さ」と、お得意のフレーズも飛び出した。
「日傘がないと、さよならですね」。
母国では美白の男子がモテると言われ、韓国勢としてダントツの人気を誇る金も、ラウンド中は肌のお手入れにもぬかりがない。「今日は3回、日焼け止めを塗り直しました」と、あふれ出る汗にもめげずに、回ってきた。
同じ組の片山晋呉とのラウンドも雰囲気がとても良かったと言い、「今はゴルフが出来るだけでとても楽しい」という。

右手甲と手首の境目の骨にヒビが入ったのは先月の日本プロの最終日のこと。16番で、左足上がりの深いラフの傾斜地に向かってクラブを強打した際に、激痛が走った。
帰国してすぐに韓国の病院で見てもらったらたちまちギブスを巻かれて、「しばらくプレーはしないほうがいい」と言われた。
しかし、その翌週には全米オープンの日本最終予選が控えており、痛み止めを打って1日36ホールの強行軍。
あのときは、本当につらかったが徐々に痛みも癒えて、思い切りクラブを振れるようになったことが、金には何より嬉しい。
「今週は、楽しくゴルフをして結果はそのあと」。ツアー4勝目の野望はさておきここパタヤで、まずはプレーを堪能する。

関連記事