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日本オープンゴルフ選手権競技 2015

永野竜太郎の原動力は

この日本一決定戦は、公益財団法人 日本ゴルフ協会(JGA)の主催。日本ゴルフツアー機構(JGTO)が主管する、普段のトーナメントと出場カテゴリーが違って、シード選手でさえ敷居の高い大会である。

そんなメジャー大会で、永野はこれまで5年連続9度目の出場と「けっこう、出させてもらってるんです」。初出場の2005年はまだ水城高校の2年生だった。
経験したこともなかった難セッティングに、「最初はまったく歯が立たなかった」。
あれから10年が過ぎて、「最近ではやっと対応できるようになってきたかな。成長したと感じられる部分」。

80回大会の初日を、5アンダーで飛び出した。後半は3番から4連続バーディを奪うと、最後の9番では右の深いバンカーから奥2メートルに寄せて、小さくガッツポーズを握った。
今年は日本プロの初日に4位タイ。5月の日本ゴルフツアー選手権では自己最高の2位タイにつけるなど、“日本”と名のつくタイトルに近頃、めっぽう強い。

「全然、意識はしていないです」と、照れ笑いで、「日本オープンは運だけじゃ絶対に勝てない。メンタルが強くて、技術力があって、すべてにおいて強い人が勝つイメージです。僕はティショットを狙ったところに打てるとか、そんな繊細なタイプじゃないから・・・」と謙遜するが、今年のコースセッティングには、密かに期するものがある。

例年に比べると、ラフの深さがさほどでもなく、ハマればビッグスコアも臨める状況に、「行ったとこ勝負で、近くまで持っていってというのが出来るから」と、自慢の飛距離を生かして、虎視眈々。

「今年は誰が優勝しても、おかしくない。誰にでもチャンスがある。他の選手もそう思っているんじゃないか・・・」。もちろん、かくいう永野も例外ではない。
兵庫・六甲国際ゴルフ倶楽部が舞台の今週は、「食後のデザートは必ず頼む。なければ、コンビニで買って帰る」と、甘い物が大好きなスウィーツ男子がダイエットに取り組んだのは、シード2年目を控えた昨オフ。プロたるもの。見かけのかっこよさにもこだわって、10キロ減に成功した。「でも夏はいつも太るんです」と、みんながばてる季節にこそ、食べて今夏はちょっぴりふっくらしたが、それも連戦の今は良い蓄えにまわして、リバウンドもなく体重を保っている。

先週は、これまでの獲得賞金を元に、出場優先順位を組み替える「フォールシャッフル」が行われて、堂々その1番目につけた永野は、後半戦に向けて出番をつないだ。これからますます実りの秋。夜長はサウナでリフレッシュ。この日初日は、7時9分のスタートに今朝は4時起き。「やばいです、眠いです。とりあえず、今日は帰って寝ます。これから12時間は、余裕で寝られる」。果報も寝て待つ。

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