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アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ 2015

韓国の鬼が来た!

鬼は、この日最後に一気に鬱憤を晴らした。「16番が終わった時点では、もうこのまま明日を迎えてもいいやと諦めていたんです」と金庚泰 (キムキョンテ)。イーブンパーで迎えた17番。5番アイアンを握った198ヤードの2打目。
「僕には全然見えなかったんですけど」。ギャラリーの大歓声が、パー4でイーグルの快挙を教えてくれた。

これで十分のこの日の仕上がりも、これで終わらないのが鬼たるゆえんだ。最後の18番も、「レイアップに失敗した」としきりに反省しながら鮮やかなバーディ締め。最後の5メートルは、「今日一番長いバーディパットだった」という。

前日の雨の影響で、しっとりした大利根のグリーンは、思った以上にスピンがかかって球が戻ってしまうと選手たちが、口々に訴える中で、庚泰 (キョンテ)も例外なく「難しかった」。
しかも、この日は奥目のピン位置が多くて、寄せるのは至難の技でも「でも僕は、そういうショットが得意で。ひとつ大きめのクラブで強めのローボールを打っていく。そうしたら、いつもよりスピンを抑えた球が打てる」と、面白いようにチャンスにつけた。

「アイアンショットがすっごく良くて」と自画自賛。
「でもパットが全然入らない」と、苦笑い。
3番からの3連続バーディも空しく、7番では3パットのボギーを契機に8、9、11番と、立て続けに絶好の距離を外して自分に呆れた。
それでも「まあ、最後まで諦めずにやれば、いいことあるやろう」と、じっと我慢で最後にきっちりと、借りを返して帰ってきた。

東日本大震災のときも、すぐにチャリティ活動に奔走した心優しき鬼は、このたび地元茨城県の常総市で起きた大水害にも心を痛めて、選手会長の呼びかけにも即座に応じた。「池田さんの言うとおり、選手がそういう活動をしていくことは、非常に大事なことだと僕も思うので」。

アジアと日本ツアーの共同主管で行われている今大会を、賞金ランク1位で迎えて「僕は、日本ツアーの代表という気持ちでやっている」という庚泰 (キョンテ)。怒濤の上がり2ホールで、一気に3つ伸ばして、最終日も首位で迎えた。
2位とは2打差。「このコースで2つはなくても同じだけど、明日もアンダーパーで回れれば、チャンスある」。今季4勝目なら、自身2度目の賞金王もますます現実味を帯びてくる。

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