Tournament article

長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ 2014

石川遼はミスターに背中を押されて

何よりチャレンジ精神を重んじるミスターにも、最終日を前に良いところを見せられた。池がらみの18番パー5は、右のラフから果敢な2オン狙い。265ヤードの2打目で4番ウッドを握った。ボールはわずかに奥のラフに転がり落ちたがそこから絶妙の寄せ。

ほぼOK距離のバーディパットを流し込む直前に、その人の姿を見つけた。いつもは最終日の日曜日に会場に来られるはずの、長嶋茂雄氏。それが、この日早くもグリーン横のテントの中で、歓声を送っておられる。
「びっくりしました。まさか、今日から来られているとは思わず」。

久しぶりに石川遼と松山英樹が揃った今年は、予定を早めて駆けつけられた。ミスターの名を冠した今大会は「このトーナメントに駆ける思いが伝わってきて、嬉しかった」と、石川もお元気そうなその姿に胸を高鳴らせて、この日最後のパットを沈めた。
「イーグルのチャンスもあったので。決められればもっと、喜んでいただけたのに」と、そこは悔しそうに「でも最低限のバーディはお見せできた」とホールアウトするなり思わず小走りで、駆け寄った。
「またお会いできて光栄です」。
しかも、明日の最終日には大会初制覇を狙える位置で、再会できたことが石川には嬉しい。

前日2日目はホールアウト後にコースを抜け出し、先週からスタートさせた夏期合宿地に戻って3時間半も打ち込んだのに、右に振り遅れ気味のショットがこの日も頻発して、「練習場では出来ていることが、今日はまったく出来ていない。納得できたショットは3,4発くらい」。

前半は、タフな条件にも苦しみながら、それでも今年パー5からパー4に変更された難しい13番から立て続けにきわどいパーパットを拾うなど、耐えて徐々に盛り返してきた。
3番アイアンでティショットをした17番では風の計算も完璧に、135ヤードの2打目はPWで低く打ち出し、手前1メートルにくっつけた。
連続バーディで首位と2打差の単独3位はミスターにも「明日は行けるよ!」と、何度も肩を叩かれ「かなり背中を押していただいたので。頑張りたい」。最終日こそ、もっとミスターを喜ばす。

関連記事