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東建ホームメイトカップ 2014

宮里優作が国内2連勝のチャンス

悲願のツアー初優勝を達成した翌年も、目標は今と変わらず「上手い選手になりたい。谷口さんや、藤田さんみたいな。その一点張りで頑張っている」。

この日3日目は、そのうちの一人と回って、お褒めの言葉をいただいた。「谷口さんが、上手いなと言ってくださって」。かたや過去2度の賞金王で、ツアー19勝の大ベテランに褒められれば、このオフの努力も少し報われた気持ちになる。

昨年の今大会は、最終日に80を打った悔しさ。「強い風の中で、球のコントロールがまったく出来なかった」。沖縄県出身だが「それも15歳まででしたので」。

高校時代は大阪、大学時代は宮城県で過ごした。成長に伴い、「ハイボールで攻める選手になっていたので」と強風下のラウンドに、苦手意識さえ持つようになっていた。

弱点克服に躍起になった。「オフはフォロースルーを低く、長く出してラインを出していく練習ばかりをやっていた。風もないのに」。そんな仮想練習が、この日は生きた。
朝の1番ティでは、強い風に吹かれて「今日は厳しい1日になる。そんな中でどういうゴルフができるか」。腕試しのつもりで出て行った。

7番の2打目は強烈なアゲンスト。154ヤードで、6番アイアンを握ってあわやイーグルのOKバーディ。「7番アイアンという選択もありましたけど、距離感も、ジャッジも良かったと思います」。

テイクバックでたびたび体が持って行かれそうになって、「もう10キロくらい体重がないと、あの風の中ではダメですね」と思わずため息と苦笑いが出るほどの難条件の中で、自身の課題をやりきった。3番では、右の手前から、15メートルをチップイン。「アプローチも非常に良くて。ピンチがチャンスについたり」。攻守を揃えて68で、2位タイにつけた。大先輩にも、お褒めをもらって自信を持って最終日に挑める。

昨年のツアー最終戦に続いて開幕Vのチャンス。年をまたいで国内2連勝のチャンスも「目の前のことに集中するだけ」と、気負いはない。

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