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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2013

賞金王は2位タイ

最終日は、アラフォーのライバル同士で20代を懸命に追いかけたが・・・。昨年覇者の谷口(左)も6位タイと健闘した。
若きリーダの失速を、賞金王は見逃さなかった。前半5つのボギーで、松山英樹が落ちてきた。藤田寛之はしっかりと、その隙を突いてきた。
「最後まで、何があるか分からない。最後の最後まで、そういう気持ちでいました」と、じわじわと差を縮めて、外し頃のパーパットは絶対逃さず、14番のバーディで、ついに首位に並んだ。もうそこまで見えていた、初のプロ日本一のタイトル。それだけに、次の15番は「痛い」と、普段はポーカーフェイスも、ついゆがむ。

右のバンカーから寄せきれずに、長いパーパットが残ってしまった。
「上りで、最後は下りで微妙な感じで。ラインに乗せて行こう、とは思ったけれど」。
つい、力が入ったパットは、1メートルあまりも行きすぎた。ボギーにはとどめたけれど、残り3ホールも再三のチャンスを生かせなかった。

「最後はもうひとつ。よくやった、というよりも残念、という気持ちのほうが強い」。

2月に肋骨の疲労骨折が発覚してから、調整もままならず、スイングを立て直すのにも時間がかかった。ようやく本調子に戻ってきたとたんのV争いにも、今季自己ベストの2位タイにも安堵するというよりは、不屈の43歳にはさらなる向上心のほうが、頭をもたげる。

「これが藤田流というのを、固めたい。あっちだ、こっちだとやっているよりも。これだ、というものを固めたい」。無類の完璧主義者は、今年もまだまだ理想のゴルフを追い求めて歩く。

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