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TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central 2013

塚田陽亮(つかだようすけ)はドタバタコンビで、V争い【インタビュー動画】

今週、塚田のバッグを担ぐキャディが見慣れない。それもそのはずだ。もともとは、アジアンツアーで活躍していたシンガポール人。
「名前は・・・えっと、なんだっけかな?」。ハーミッドさん、41歳。
アジアと、日本の両ツアーの賞金ランキングに加算される先月の「アジアパシフィック パナソニックオープン」で、某アジアの選手について来日した。

しかしそれから2週間が過ぎた今も日本にとどまっているのは元々、担ぐ予定だった選手にクビにされたから。アジアで戦った経験もあり、顔見知りだった塚田は今週、火曜日にコースに玄関先で、所在なさげにたたずんでいるいるのを見て「何してんの?!」。
「新たな選手を探している」という。詳しく聞けば、所持金も底をついて「財布に7000円くらいしかないって・・・」。
思えば、中学3年生で単身アメリカに渡ったときは、「俺の英語は幼稚園レベル」。それでも、誰もバカにしたりしなかったし、むしろいろいろ教えてもらったり、本当に親切にしてもらった。
あのときの恩返しが別の形で出来ると、その場でコンビを組むことに決めた。

ラウンド中は、飲みたくない水を飲まされたり、ゼリー飲料を食べさせられたり。
「今は腹減ってないよ!」と断っても、「いいや、すいてる。だからそんなに腹が立つんだ」。
ラウンド中の苛立ちも、単に自分のミスに怒っているだけなのだが、ハーミッドさんは「お腹がすいているせいだ、と」。そう言ってきかないから「はいはい、じゃあ食べますよ」。渋々従いながらも、コンビネーションはそう悪くない。

大会は史上稀にみるバーディ合戦に塚田もついイケイケで、ドライバーを握るが「ダメダメ、あなたは曲がるでしょ」とハーミッドさん。これまた無理やり2番アイアンを握らされて安全策をとらされたり、すったもんだも最終日を前に、3位タイにのし上がれば、それもまた良し。

先週のコカ・コーラ東海クラシックは3日目まで優勝争いを繰り広げながら、最終日に77を打って22位タイまで落ちた。「すべては先週だった」と、ハーミッドさんの心配もさることながら、初シードの正念場を迎えている塚田は、まず自分の心配をするのが先だ。

「先週も一生懸命やったけれども、もうちょっとなんとか出来たのではという気持ちも少し。明日は、それを払拭する最終日になればいい」と、自身初の最終組で、一枚壁を打ち破るチャンスだ。
同い年でジュニア時代からの親友の池田勇太と比べれば、「自分はまだまだのろまな亀だが、40、50(歳)になってもまだ、のろまな亀と言っている場合ではない。そろそろ、速い亀になってもいい頃」と、最終日こそハーミッドさんと、足並み揃えて山越え谷越え歩いていく。


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