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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2013

宮里優作は最後のダボに「丸山さんなら・・・」【インタビュー動画】

一瞬の気の迷いが、もろに出た。東京よみうりの最終ホールは、屈指のパー3で1メートルもないボギーパットは、「本当なら片手で打っても入りそう」。そんな楽観とは裏腹に、「真っ直ぐ打つか、膨らませて打つか」。そんな逡巡が、1打にどれほどの影響を与えるか。分かっていて「直前で、右に押し出した」と、悔やんだ。

振り返ればティショットも「基本の風を、信じすぎてクラブミス」。左からアゲンストの風も、直前にフォローに変わっていれば、3番アイアンではデカ過ぎた。あっという間に風に乗り「どんどん距離は伸びて奥へ」。
左のラフから下り傾斜に向かって打つアプローチも「僕では寄らない」。ゴロゴロとあっけなく、ピンを通り越して15メートルものパーパットが残ったのも、けっして今の自分にとっては想定外でもなんでもなく「これが、丸山さんだったら寄っていたかな」。

97年と、2009年の覇者は、米ツアー3勝の偉大な先輩。今週は、テレビ解説をつとめる丸山茂樹は、その下見をかねて、優作の練習ラウンドについて来た。「アプローチ、見せてください」とのお願いにも快く応じて、珠玉の技の数々を披露してくれた。
鮮明なその記憶がまだまざまざと残っていたからこそ出た「丸山先輩だったら」との言葉。打ちのめされた。この日は1番から3連続バーディで出るなど、それまで快調にスコアを伸ばしていたのに、最後の最後に受けたコースの洗礼にも「18番は、年々傾斜がきつくなっているように感じる」。2007年の初出場から、これで3度目の最終戦も、「最初のときよりも、壁に感じる」。

それでも、満面笑顔で上がって来られたのはまだこれが、2日目だから。「やっちゃった、いや〜、やっちゃった。やっちゃいました」と、わざと歌うように陽気に言えたのも、「明日からの良い薬になる」と、まだ取り返しも十分に効くとから。ダブルボギーの幕切れも、大会はまだ折り返したばかりで、首位とは1打差の単独2位には「17番までは、自分のやるべきことを明確に出来ていた」。6番ではあわや左にOBでも冷静に、ピンチから一転2.5メートルのバーディを奪った。11番では、左ラフの2打目を右の崖下に落として3打目は、木が立ちふさがる状況からウェッジで3メートルに寄せる絶妙なパーセーブも光った。
依然として、悲願のツアー初優勝には絶好のチャンスであることには変わりない。「明日からは気をつけます。自分を100%信じて打ちます」。週末こそ迷わずに突き進む。


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