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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2012

佐藤信人は「考え中です」

46歳の鈴木亨のほかに、最終日を待たずにシード落ちを喫したベテランがもう一人。42歳の佐藤信人。昨年は、日本オープンで3位とこの一発だけで、2008年以来のシード復帰を果たした。

しかし、1年で再び陥落の憂き目はシーズンの中盤からパッティングとドライバーのイップスの再発。「結果を欲しがりだすと、顔を出す」と、思うような結果が残せないまま、この“最終戦”を迎えてしまった。

今大会は開幕前に、話していたものだ。
「今年は一発もパンチが出せないまま終わってしまって…。今週は、“猫パンチ”くらいは出せないもんかな」。
つまり、今年はこの土壇場で一発大逆転が出ないものか、と。そんな冗談も、夢に終わってしまった。賞金ランキングはボーダー線にも遠く及ばない105位で迎えた今大会は通算2オーバーの81位と予選通過にも及ばず、シード落ちが確定した。

「今年は久しぶりにツアーに帰って来られて、あちこち旅行が出来て、楽しかった」と口では言いながらも、表情には苦渋の色がにじむ。

来季につなげるには、次週のファイナルQTに挑むしかないのだが、それも思案中と佐藤はいう。
結婚11年目にして同い年の妻・裕子さんとの間に、待望の第一子を授かったのは、昨年末。
大切な家族が増えたことで、佐藤の逡巡は深くなった。

「俺ばっかりが、夢を追いかけていていいのか?」。
プロゴルファーとして、各地を駆け巡る生活を、また来年も続けたいのはやまやまだがそれには当然、多額の経費もかかる。
「他に職があれば、すぐにでも転職したい。でも、今までプロゴルファーで来てしまった自分に出来ることが他にあるのかどうか」。
次週のファイナルQTにエントリーするか否か。
「周囲と相談して、決めたい」。受付の締め切りは、翌週月曜日の26日。「夕方、ギリギリまで考えたいと思います」。
佐藤は人生の決断をどう下すか。

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