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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2011

市原弘大が単独2位に

今年から、配り始めた似顔絵入りの市原オリジナルバッジは5タイプ!!
この日奪った8つのバーディのうち、半分が7〜8メートルの長い距離。「ラインが、今日はよく見えた」と、トレードマークの長尺パターが冴えに冴えた。
後半の5番で、53度のウェッジで打ったセカンドショットが入りかけるなど、ショットも冴えた。

先月あたりまでは、形ばかり意識して、そつなく体(てい)よく打とうとしていたスイング。
アジアと日本を掛け持つ選手は、「どっちも早く決めてしまいたい」と、今年も両ツアーのシード権獲りをもくろみ、確実に結果を残していこうと、スイングに「逃げていた部分があったかもしれない」。

しかし、アジアも日本のコースもどちらも日々生き物で、天候も違えばコンディションも違う。
「キレイには打てているけれど、それだと状況に合わせていけない」と気がついた。
それに「ゲームにも集中しきれない」。
スイングにこだわるのをやめた。
プレー中に、スコアボードを見るのもやめた。
「良ければ勢いを止めちゃうのもあるし、悪ければ焦ってしまう」と、この日もいったい自分が何位にいるかも、知らないまま会見場にやってきたほどだった。

ひたすら目の前の1打に集中することで、2日目にしてリーダーボードの2番目に陣取った。アジアでもいい、日本でもいい。どちらでもいい。「勝ちたい」と熱望するツアー初Vにむけて、好位置につけた。

来月は8月から12月の第3週目まで、アジアと日本を掛け持つノンストップの強行軍は、欧州との共催が多いアジアンツアーで、ミケルソンやクラーク、ヒメネス、マキロイなど、世界ランカーとラウンドする機会を大切にしたいから。
「彼らはガッツはあるんだけれど、ぎすぎすしてない。自分を追い詰めていない。常に伸び伸びとプレーする」。
19歳でイップスにかかるなど、つい深刻に考えがちだった性格は、そんな彼らと揉まれるうちに、良い意味で図太く、逞しく変わってきたと思う。

市原の中では「アジアをないがしろにしたくない。日本ツアーと同じように頑張りたい」というように、アジアと日本。「勝てればどちらが先でもいい」というが、日本はシード元年の今年、「せっかく出られるようになったのだから」と自腹を切って、オリジナルバッジを作成して、ファンに配っている。

今週の北海道から新たに2種類増やして、合計5つのバージョンは、近ごろでは「前と違うデザインのをください」と、言ってくれる人も出てきた。
「嬉しいですよね」。
だからこそ記念すべき初優勝は、ぜひ日本で。大勢のファンが見守る前で、ウィニングパットを沈めたい。

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