Tournament article

ダンロップフェニックストーナメント 2011

2週連続優勝がかかる、松山英樹さんは

今週、2週連続Vがかかるのは、19歳のアマチュア。周囲がさかんにたきつける。極めつけは、この人。世界のアオキこと、青木功。練習場で松山さんに歩み寄り、「もう、勝っちゃえよ!」と、いきなり言われて、腰が砕けた。
「お前なら、頑張らなくても普通にやれば勝てるから」とも。
また、先週は御殿場の高速グリーンに、「ああいうコースは、パットが良くないと勝てない。上手くなったな」と褒められて、素直に嬉しかった。

“生プロ”を初めて見たのが、青木だった。地元・松山は愛媛の練習場だった。「憧れました」。多彩な技の数々を目に焼き付けた。「見よう見まねでやろうとしても、全然出来なかった」。まだ、小学生時代の思い出だ。

その人からの直々の祝福と、称賛にその気になりたいところだが、いざこの舞台を目にすれば、そうやすやすとはいかない。

初出場のフェニックス。数々の名勝負を生んだ舞台を松山さんが観戦したのは2002年と04年。

特に04年は、タイガー・ウッズ。「13番の奥のバンカー横のラフからのアプローチを真後ろから見た」。

一瞬、ミスショットかと思ったショットは、みるみるカップに近寄った。「50センチについて、驚いた記憶がある」。
今週は、月曜日からコースに入り、「同じようにやってみたけど、まったく寄らない」と苦笑した。
「見ているだけなら感じなかったけど、やってみたらものすごく難しいコース」。そう痛感したからには、青木の嬉しい励ましにも、簡単にうなずくわけにはいかない。

「まずは予選通過で」と、繰り返した。
「考えるのは、それからです」と、あくまでも本人は慎重だが、周囲はつい、2週連続の快挙を期待しないではいられない。

昨年は全米オープンの覇者も、その実力に太鼓判を押した。グレーム・マクダウエルは、今年のマスターズで、その豪快なスイングを見ていた。
「練習場で、良い球を打っている選手がいると思ったら彼だった」。
オーガスタで日本人初のベストアマも、先週の優勝も、マクダウエルにはその時点で、すでに予測が出来ていた?!
「遼も含めて、日本の若い選手が台頭している。彼らがメジャーで勝つ日も近いと、僕は思っている」と、マクダウエル。

メジャーチャンプの証言を、聞けばそれもなおさらだ。

関連記事