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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2011

石川遼が4打差5位に

前半は一進一退のゴルフは初日や2日目と似たような展開にも、石川は落ち着いたものだった。2008年のこの大会で、プロ初優勝を飾った。ABCゴルフ倶楽部の戦い方は、心得ている。

「15番から18番の4ホールで最低でも2つ、3つ伸ばせるというのが自然と自分の中で想定出来る」。だからたとえ、14番までにオーバーパーを打っていたとしても、「15番のティに来ればここからもう1回頑張れば、挽回出来るという気にさせてくれる」と、落胆しない。

3年前に、ここで劇的な逆転Vを飾ったという成功体験がそうさせる。この日は途中、ティショットで左に曲げるミスも、コースを折り返してすぐに10番で、修正してみせた。11番の連続バーディで、勢いづいた。

しばらくして、今度は右に曲げるミスが続いても、「こういう場合はどうしたらいいか、分かってきた」と、焦りもない。前半の6番では、背後は誰も分け入ったことがないような藪の中で、「何か大きな動物が歩く音」。おそらく、イノシシか何かの存在に、少し怯える様子も見せたが、最後の18番は「今日一番」というドライバーでフェアウェイど真ん中を捕らえてピン右10メートルのイーグルチャンスにつけると、最後は楽々バーディ締めに、そんな途中のハプニングもすっかり頭から消えていた。

「初日、2日目は出遅れたけど、その分この3日目でなんとか取り戻せた」と、ここでは毎年、V争いの常連が今年も指定席について安堵する。
いつもは、最終日最終組にこだわる20歳も、今回はひとつ後ろの組から首位を伺う位置は、「最初から、優勝の文字が入ってくると、気持ちよくスイング出来るか心配になるので」と、今の石川にはむしろ好都合だ。

4打差から狙う今季初Vも、「14番までに3打、4打なら分からないという気持ちにさせてくれる」と最終日こそ、ここでの“マイセオリー”を頼りに最後まで諦めない。

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