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日本オープンゴルフ選手権競技 2011

藤本佳則さんは1アンダーにも「内容はひどかった」

インスタートのこの日は、前半の18番でダブルボギーを打った。488ヤードは通常はパー5の難関のパー4で、左のラフに入れたら、もはやノーチャンスという状況で、第2打を木に当てて、3打目を190ヤードも残した。
それでもまだグリーンを捕らえられずに、ラフから寄せたアプローチを1メートルに寄せたボギーパットもカップに蹴られた。

さらに2番でもボギーを打って、3オーバーまでスコアを落として「それでかえって気が楽になった」。
来季ツアーの出場予選会クォリファイングトーナメント(QT)は、先のセカンドQTでトップ通過を果たした明日のトッププロ予備軍は、「今週は、2日で帰るんかな」という逆境をむしろバネにして、そこから4つのバーディで、よみがえってきた。

「ティショットは、ほとんどフェアウェイに行ってないけど、浅いラフに入ってくれたので。運が良かった。どうにか出来た」と、難コースでしぶとくチャンスを拾って、1アンダーと盛り返しても、「内容はひどかった」と満足しない。

トッププロのみならず、トップアマがひしめく今大会で、その最上位につけてもそれは特に、藤本さんには関心事ではない。

たとえば、来年も2年連続でマスターズの出場権を獲得した松山英樹さんは、東北福祉大の後輩だ。「松山くんに、負けたくない?」との報道陣の質問に、答えたのは「僕らがアマチュアとしてプロの試合に出場することで、どういうメリットがあるか。アマチュアの試合では、出来ないことを経験すること」。

来年のプロ入りを目指している藤本さんの視線はもはや、そこではない。この日1アンダーにも「プロならば、そのくらいは出して当たり前の世界」と好スタートにも満足するはずもなく、「プロの中で、どこまで戦えるか。常にそういう目標を持って戦っている」と藤本さんは言う。

そういう意味でも、「今週は、トップ10入り」と、目標設定にも揺らぎはない。

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