Tournament article

東建ホームメイトカップ 2011

石川遼はツアー通算10勝のチャンス

強風に軒並み上位がスコアを崩す中で、石川もまた、高山のプレーが大いに励みとなった。高山の8バーディに対して、石川は4つ。
「高山さんが僕の倍取っているように、どんな難しいコンディションでも4つ以上、バーディを取る人がいるけれど、その人が取れるなら僕も取れる」。

強い信念で迎えた17番のイーグルチャンス。7メートルは、カップを1メートルオーバーさせたが、きっちり返しを沈めてノルマ達成に、思わずそっと胸をなで下ろす。

前半は、石川も苦しいゴルフを強いられた。4番でバーディが先行したものの、6番、8番でボギーを打った。
中でも「一番厳しかったのは、7番ホール」だ。
前日2日目は9番アイアン、さらに初日はサンドウェッジでよかった第2打で、「今日は4アイアン。いったい、今日はどうなっちゃうんだろう、と」。いっこうに吹き止まない強風が不安を煽る。

しかし、先週のオーガスタから帰ったばかりの19歳の戸惑いは、長くは続かなかった。
12番でバーディを奪うと14番の第2打は、「一番、気合が入った」。
このパー4は、グリーンの奧に山がある。「だからピンフラッグは揺れていないのに、上空は強い風が吹いていたり、止んでいる部分があったり。距離感が難しい」。
しかも、この日のピン位置は3段グリーンの一番上だ。
「3ヤードの距離と、方向のブレが許されない。あれだけ狭いエリアに狙っていかないといけないのは海外メジャーにも通じる」。
これほどの状況だからこそ「練習の成果を出したい」。挑戦の虫がうずいた。
「風向きは、時計で行ったら1時くらい。読みもピッタリ当たった」。
ピッチングウェッジで、「少しだけフェースをかぶせて抑えめに」。緻密に計算された残り120ヤードをピンに絡めた。
「今日、一番エキサイトしたというか、そういうショットでした」と、充実の笑みが浮かんだ。

ムービングデーに崩れた先週のマスターズ。課題の3日目は、難条件もものともせずに、ツアー通算10勝目を射程に捉えた。
達成すれば、史上最年少の偉業に「2011年の開幕戦からまさか、こういう数字が目に入るとは、思わなかった」と、胸を抑える。

「19歳なら、シード選手というだけでも凄いと思うし、15歳での優勝からまだ1勝でもおかしくなかった。自分も家族も期待している以上のスピードで、たくさんの勝利を重ねて来られた」と、その道のりに自ら目を丸くする。

最終日は再び高山と、過去5度の賞金王との初めての最終組。
「最終日最終組で、片山さんと回るというのは小学生の頃に描いていた漫画みたい。夢のようです。ものすごく緊張すると思いますが、いかに自分のゴルフに100%集中して自信を持って、18ホールをプレー出来るかどうか」。
どんなエンディングを描けるか。

関連記事