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日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

増田伸洋が「盆とクリスマスと正月と誕生日が一緒に来ました」

インスタートの前半で我慢のゴルフを続けた甲斐はあった。上がりの3ホールで一気に上昇した。

7番で上って下る、10メートルの難しいバーディパットを沈めると、8番は奧から5メートルのフックライン。そして最後は9番パー5で、2オン2パットのバーディフィニッシュ。

3連続バーディの直前の6番で3パットのボギーを打っていただけに、「雰囲気が一気に明るくなった」と、大喜び。
「もう出来過ぎですね。盆とクリスマスと正月と誕生日が一緒に来ました」と、満面笑みで振り返った。

このプロ日本一決定戦で、ジャパンゴルフツアーは4戦目を迎え、「ようやく光が見えてきた」。
いや、正確に言えば、すでに一度は“光”を見ていたのだ。

開幕戦の東建ホームメイトカップは9位タイと、上々の滑り出し。
ハプニングはその直後に起きた。
翌月曜日はレッスン番組のテレビ収録撮りの最中に、愛用のドライバーが真っ二つ。
かなり手になじんでいたクラブだったから、そのショックは大きかった。

続く2戦のつるやオープンと中日クラウンズはとりあえず、代用品で戦ったが痛手は大きく、連続の予選落ち。
「じっくり捜す時間もなくて。これからどうなるかと不安でした」。

払拭してくれたのは、メーカーの尽力だ。
以前のドライバーを忠実に再現するために、もっとも現物に近いドライバーのヘッドのコアの部分の内容物を特殊な技術で抽出したり、相当の無理をしてくれた。
「元のドライバーの重さそっくりに仕上げてくれたのが今週、届いて」。
満足のいく1本に「頑張ってくれたのだから、答えないといけない」。
メーカーの恩義に報いる好発進。

ここ長崎県のパサージュ琴海アイランドゴルフクラブはまず、起伏の豊かなグリーンの難しさが話題だが、「各ホールに吹く風も難しい。ティショットをフェアウェーにおいて、いかに攻めていけるかです」。
復活したドライバーは、ゲームプランのアシストとしても十分に納得いくものだった。

「せっかくいい位置にいるのだから頑張りたい」。
2006年のマンダムルシードよみうりオープン(現・ミズノオープンよみうりクラシック)でツアー初優勝をあげたものの、「2勝、3勝と続けていかなければすぐに忘れられるのがこの世界」が口癖だけに、プロ日本一の称号は何よりのアピールになるはすだ。


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