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TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Lake Wood 2010

QT組の定延(さだのぶ)一平が7位に浮上

この日の第3ラウンドは、最終18番で3メートルのバーディパット。決めれば、トップ5入りも狙える。が、最後のこの絶好のチャンスを1メートルもオーバーさせた定延に、同組の高山忠洋が苦笑いで近づいてきて言った。

「こっちがドキっとしたやん!」。

打った瞬間、高山には「強すぎる!」と感じた。案の定、パーセーブのピンチに、他人事ながら「ハラハラさせられた」と高山は言うが、本人には「打ちすぎた」という自覚すらなかった。
「僕は全然平気やったけど…」と、いつものように、のんびりと笑った。

むしろ、カップをオーバーさせるくらい、思い切って打てることが嬉しくてたまらない。

アドレスで手が動かなくなる、いわゆる“イップス”の病いにかかったのは、昨年のファイナルQTからだ。
翌年のツアー出場優先順位を決めるシビアな戦いに、すっかり萎縮した。
手が動かないのを無理に動かそうとするものだから、ストロークも一定しないし、「短いのも全部外した」。

どうにか、QTランクは47位にしがみつき、今季の権利を得たものの、以来グリーン上で恐怖となり、その後遺症はシーズンが開けても続いた。
レギュラーツアーへの登竜門、チャレンジトーナメントでも、ことごとく予選落ちを喫し、唯一決勝に進んだ1試合は、奇しくも今大会の主催と同じ、「トーシンチャレンジ」のみ。

救いを求め、さまざまな形状のパターを試したが、どれも同じで、今週ついに手を延ばしたのが、48インチの長尺パターだった。

「もう何でもいいや…と。最後は、もうこれしかないな、と」。
ほとんど練習もせず、ぶっつけ本番でバッグに入れた新兵器。
これが、本人にも意外なことに、吉と出た。
「なんだか、どこから打っても入るんですよ」と、声も弾んだ。
一時期は「ゲェを吐きそう」なほど。あんなに苦しかったグリーン上が、今週は「楽しくって仕方ない」。

同組の高山さえ、見ていて手に汗握った最後は1メートルのパーパットも、こともなげに沈め、通算9アンダーは7位タイの好位置で、迎えることになった最終日。
目標は「トップ10入り」だ。

次週の「The Championship by LEXUS」のあと行われる、出場優先順位のリランキング。
シード権の確保などと、贅沢なことは言わない。
「今週の結果で、試合に出られる状況に出来たらいいなあ、と思ってます」。
相変わらずのんびりと笑った。

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