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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ 2010

伊澤利光が復活の兆し…!!

きゅうきょ大会を欠場した中嶋常幸のピンチヒッターとして参加した前日水曜日のプロアマ戦。ラウンドの途中にアマチュアの方が、首をかしげながら言った。

「そんなに良いショットを打っていて、どうしてダメなんですか」。
苦笑して応えた。
「いやあ、確かに。今日はいつになく、調子良いみたいですね」。
「本当に。こんなショットを打っててダメなんて。僕ら意味がわかんないですよ」。
さらに畳みかけられて、再び苦笑……!!

昔ながらのゴルフファンなら、誰でもこの人の復活を待っている。
かつては、ツアーきってのスインガーと言われた。
2001年のマスターズで当時、日本人最高位の4位タイにつけた際に、その美しさはウッズ並みとも評価された。

ツアー通算16勝。過去2度の賞金王はしかし、持病の左親指付け根痛の影響もあって、昨年は2年連続の賞金シード落ちを喫している。

「僕だって、諦めてはいないよ」と伊澤。
「だから、良くなるように色々試しているわけで」。
久しぶりにひらいめいたのは、今週の火曜日だ。
夕方の練習場で思いついた。
「最近、球が捕まりすぎるのは、ダウンスイングのときの上体の起き上がりが早いせいでは?」。
アドレス時の前傾姿勢をキープしたままインパクトを迎えられれば理想なのだが、結果を求めるあまり、打ち急いでいるのかもしれない、と気づいたのだ。

「それが分かったら、たちまちスイングが良くなったんですよ」。
それも「コースではどうなるかな」という半信半疑の部分があったそうだが、プロアマ戦でアマチュアの方に褒められて少し自信がついた。
「そして今日も、2日連続で思ったようなゴルフが出来て。さらに自信になりました」と、ジワリとわき出た復活の手応えに、本人もエビス顔だった。

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