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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2010

飛ばし屋の2人が好スタート

ツアー屈指の飛ばし屋2人が揃って上位に顔を揃えた。ブレンダン・ジョーンズが2位タイ、さらに1打差5位タイには小山内護だ。

ジョーンズは、実は先週のカシオワールドオープンが終わった次点で、このツアー最終戦を待たずして、「もう、オーストラリアに帰ってしまいたい」という衝動にかられていた。

優勝経験のある三井住友VISA太平洋マスターズで単独2位につけたが、そのあとは2試合で棄権と予選落ちという結果に、「早く家に帰りたい、と思ってしまった」。

逃げ帰らなくて良かった。
2007年に優勝。また昨年4位タイ、一昨年は2位と絶大の相性を誇るこのゴルフ日本シリーズJTカップで今年もまた好スタートを切って、先の2週間のうっぷんが、すっかり晴れそうな予感だ、
「大好きなコースだし、これが終わればゆっくり休めるという精神的にも良い影響が、この大会にはある。この調子であと3日間、戦い抜きたい」と、たちまち闘志に火がついた。

そしてもうひとりは小山内だ。2000年と2004年から3年連続のドライビング王もまた、体に爆弾を抱えながら、最後の力を振り絞る。

昨年、シード落ちの一番の要因となった左ヒジ痛は今年、長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップで、4年ぶりの復活優勝を飾ってからも悩まされ続けている。

痛みに耐えながら、ようやく迎えたこのツアー最終戦は、今年の出場選手の中ではもっとも長いブランクの11年ぶりの出場を果たしただけに、初日から気合いが入った。

前半のパーは5番だけ。9ホールで6バーディ2ボギーの内容に、同組の原口鉄也がはやし立てた。
「はい、またマモさんのいつものドタバタ劇場が始まりました〜」と、からかわれても、びくともしない。
10代のころ。軍団入りの面接で、あのジャンボの前でカラオケを熱唱した。プロ顔負けの美声にジャンボも惚れ込んだという豪傑は、この日の派手なスコアカードも「確かに俺にはいつものこと」と、笑い飛ばした。

ヒジの痛みももはや、限界に近いが「もう最後だし。あと3日、ギリギリ持てばいい」と、どんなハンディを背負っていようとも、今季2勝目にむけて、攻撃の手は緩めない。

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