記事
前澤杯 MAEZAWA CUP 2026
イップス、帯状疱疹、坐骨神経痛「苦しいことしかなかった」米澤蓮が3勝目で報いたもの
米澤蓮(よねざわ・れん)は、「もの事を突き詰めてやりたいタイプ」と、自覚している。

その分、ミスを自分で人一倍責めてしまうところがあり、一昨年6月に、帯状疱疹を発症したのもそのせいだ。
プロ入り前には、ショット時に手や体が過剰反応するイップスの症状に苦しんだ経験もあり、メンタルがいかに体やゴルフに影響を与えるか、誰より一番よく知る。
「感情的になってしまったり、そこは自分の弱い点。自分にプレッシャーをかけすぎない、受け流す力が必要だな、と思っていて…」。
2024年に初Vからの年間2勝を飾ったが、昨年は、8月の「ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント」で比嘉一貴(ひが・かずき)とのプレーオフに敗れての2位が最高。
あと少しで勝てないまま1年が過ぎた。
明けて今季は、国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」で、坐骨神経痛からくる足の痛みで途中棄権を余儀なくされた。
「半年くらい難しい場面が多くて。苦しいことしかなかった」という。
この日も、強風の影響で、ボギーをたたいた17番で、宋永漢(ソン・ヨンハン)に並ばれた時には絶望しかけた。
「まただ、やっちまった。また試練だ。また負ける。もう勝てない」。
それでも、18番の渾身のパーセーブでチャンスは残せた。
キャディのゲーリーさんと「次はバーディ獲ろう、絶対勝とう」と、約束して臨んだプレーオフの2打目。
8番アイアンを握った152ヤードの2打目は奥から傾斜を伝い、ピン1.5メートルに。
ヨンハンのパーセーブを待って打ったバーディチャンスは「カップ際で急に曲がって蹴られる…!」と、落胆するより早くボールがカップに沈むと、歓喜よりも安堵が先に。
ゲーリーさんの胸に顔をうずめて噛み締めた。
「やっとだ、やっと勝てた。よかった」。今までの苦労も風に流され吹き飛んだ。

むやみに人に弱みを見せないタイプと自認する。
でも「いい時は自己処理できるけど。悪くなったときに、相談できる相手がいないのは苦しい」。
そんな時、頼れる人が米澤にはいる。
ガレス・ジョーンズ コーチは、アマ選抜のナショナルチーム時からの恩師だ。
「技術もメンタルももちろんだし、私生活の苦しいところも年齢とか立場とかに関係なく、一人の人として話せる。お父さんみたいな人」。
10年来の恩人に加えて、結婚して1年になる妻の存在も大きいという。
「ある意味、ギリギリのところを渡ってきた人間なので。背負うものが増えたほうが僕にはいいのかな?」。
最終日には地元の岩手から、始発の新幹線に飛び乗り駆け付けてくれた。
優勝賞金4000万円を手にし、プレミアムポイントの550ptを加えてランクは1位に。
結婚後の初Vで報いたものは、あまりに大きい。













