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「ゴルフをやっててよかった」初代年間王者・若原亮太が力説するACNツアーの魅力と意義

チャレンジトーナメントは今年から、新たに株式会社ACNホールディングスをネーミングライツスポンサーにお迎えし、「ACNツアー」に改称した。
また、レギュラーツアーに先行して、初のポイント制を導入して行われた。

記念の年に、1,292.305ポイントで初代年間王者に就いた。
若原亮太(わかはら・りょうた)はプロ6年目。潔いほどの丸刈りが、トレードマークの27歳である。


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「前髪がちょっと薄くなってきましたので…」と、正直に明かして「剃っちゃったほうが楽かな、と。なんかやらかしちゃった、とかではないです」と、言って笑う。



岐阜県各務原市の出身だが、大学4年間を大阪学院で過ごしたこともあり、ときどき大阪弁のイントネーションも自然と出る。
大学の2つ後輩平田憲聖(ひらた・けんせい)は今季、米二部コーンフェリーツアーから来季PGAツアーに昇格を果たした。

若原が、8月の「住地ゴルフチャレンジ」からの連勝を飾った「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」のV資格で初出場を果たしたレギュラーツアーの「ダンロップフェニックス」で平田と久しぶりに再会でき、お互い「おめでとう」と、称え合った。

また、今季レギュラーツアーで賞金レースを引っ張った同志社大学出身の生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり)とは同学年で「わりと腐れ縁」。

若原が優勝した大学2年(2019年)の「関西学生」では最終日最終組で争ったり、リーグ戦ではあえて同組で当たりに行ったり、なんならPGAのプロテストも1年目に揃って落ち、今度2度目の挑戦では、最終組で回って2人仲良くサクラサク。

「良かったね」と、喜びあった思い出もあり、このたび若原が年間シードを決めた際には、すぐお祝いの連絡をくれた生源寺。

「ゲンジ(生源寺の愛称)は努力家で、負けず嫌いと学生時代から知っていました。今年はそれがハマってガンガン勝てるようになったと思う。凄いな…」。8日、都内で行われた年間表彰式内でのトークショーイベントで席を並べて直接、今季の活躍を称えた。



賞金レースを離脱してでもPGAツアーの予選会に挑戦したが、2次で敗退した生源寺。

「人前ではそういうのを出さないけれど。凄く悔しかったと思う。僕もゲンジにはアメリカに行って欲しかったけど、来季はそれで一緒に出られることになったので…。一緒に回りたいし、いろいろ教えてもらいたい」と、共闘をひそかに誓う。

生源寺も前身のABEMAツアーで23年に賞金王に就いた。

「ゲンジのほかにも、チャレンジトーナメントで歴代1位になった選手はみんなレギュラーツアーで活躍している。僕もなったからにはそれに続いていきたい」。

身近な存在に、若原も初代王者の自覚が自然と高まる。

昨季QTサードで敗退し、今年は「これでダメならゴルフを離れて別の仕事を」と決めて臨んだ覚悟の年。
「それが、まさかきょうこうして表彰式にも出られるなんて。ゴルフをやってて本当によかったな…」。

壇上で、株式会社ACNホールディングスの田積毅・取締役副社長から記念のトロフィーを受け取り、喜びも倍に。



「僕らプロゴルファーは、職場がないと終わってしまう。ABEMAさんから引き継いでくださったACNさんにも感謝しかない」と、頭が下がる。


今年は若原に次ぐ同ツアーのトップ5のうち、2位の出利葉太一郎(いでりは・たいちろう)も、3位の福住修(ふくずみ・しゅう)も、6位の古川龍之介(ふるかわ・りゅうのすけ)も、同時にレギュラーツアーで初賞金シード入りを決めた。 ⛳2025年ACNツアーポイントランキング

「今年3人も出たのはACNツアーでしのぎを削り、何度も上位争いを経験させていただいたからこそ、と僕は思っているんです。次への飛躍、という意味でも、ACNツアーは僕らにとって本当に大切な場所。僕だけではなく、みんな本当に感謝しています」。
全選手を代表し、初代王者が力説した。

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