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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2025

原敏之が最後ひと枠に飛び込み出場「一番近くて遠い試合」で念願の自宅通勤中

この年のV者や賞金上位者らを合わせて30人しか許されない。
本大会で賞金王も決定する。

今季最強選手の決定戦で、最後のひと枠に飛び込んだ。
34歳の原敏之(はら・さとし)は、プロ14年目の大会初出場を果たした。⛳出場選手一覧




香川県の出身だが結婚を機に、4年前から東京・町田市に住んでいる。
会場の東京よみうりは、「コンビニに寄らなければ車で35分ほど。距離は近いけど、一番遠いのがこの大会でした」。
改めて敷居の高さを実感したのが先週のカシオワールドオープンだった。

本大会出場資格のぎりぎりボーダーラインの賞金34位で入って予選敗退してしまった。
土日は奥様の理乃(あやの)さんと「とにかくお祈りするしかなかった」と、リーダーボードを見ながら一喜一憂。

最後、大岩龍一(おおいわ・りゅういち)と砂川公佑(すながわ・こうすけ)とのプレーオフが決まったときは、半分絶望した。
「砂川選手が優勝していたら、うちは外れていたんです」と、理乃さん。
「ほんと、出られただけでお祝いだよね」と、喜びあった。

初出場が決まった興奮もそのままに、今週は夫婦でタッグを組む。
理乃さんは9年のハウスキャディ歴があるが、トーナメントで夫のバッグを担ぐのは今回でまだ5回目。
「ツアーのセッティングは全然違う。ラインも何も読めないので。私はメンタル担当です。まずは夫婦で仲良くやってます、という感じで出来れば」と、笑う。

「最後の枠に入ったので今週はひけめがあります」と、夫は遠慮がちに言うが、片岡尚之(かたおか・なおゆき)とのプレーオフにもつれた10月の「日本オープン」での夫の飛躍は凄かった。

「予選をトップ(首位)通過して、びっくりして日光に飛んで行ったんですけど、まさか最後まで優勝争いするとは思わず。テレビを録画するのを忘れちゃったんです」と、理乃さんは現在、誰か中継映像をお持ちでないか、探し中。

ジュニア時代に中四国で一緒だった松山英樹と「ダンロップフェニックス」で再会したときにも当時の話になり、「プレーオフで負けたことはほんとうに悔しかったけど、勝負はしょうがないよね、と。あの経験を次に生かせるように」と、初Vへの思いを高めるきっかけにもなった。

本大会の第1ラウンドは、賞金ランキングの下位順に、第1組から3人1組ずつ組まれると決まっており、初日は金谷拓実(かなや・たくみ)と中島啓太(なかじま・けいた)という、豪華メンツに挟まれる。⛳初日の組合せ

「2人ともPGAツアー選手という…。独特の空気感で回れる。そういうのも楽しめたら」。

普段の転戦は外食ばかりで心配だが今週は、理乃さんの手料理で栄養管理も完璧に、長女の麻乃ちゃんを学校に送り出してからでも十分間に合う自宅通勤を夫婦で満喫する。

月、火の練習ラウンドで、東京よみうり名物の18番グリーンを初体験し、「これがテレビで見ていたJTの18番かあ…」と、2人で思わず悲鳴。
「ほんとうにジェットコースターみたい。止まんないじゃん」と、攻略も仲良く2人で頭をひねる。

予選カットがない本大会は家計にも優しく、「それが一番嬉しいです。30人しか出られないので確率も高いですよね?」と、妻の期待もなんとなくは背に受けつつ、「あわよくばトップ10」と、夫は控えめに抱負を述べた。


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