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日本オープンゴルフ選手権 2025

原敏之 プレーオフで「芽生えた」悔しさと初シードの喜び

原敏之(はら・さとし)はプレーオフ1ホールのボギーで敗れた。


「プレーオフするまでは、本当に優勝とかは自分の中ではない、と思っていた」。

しかし、7打差の6位タイから出て5バーディ、1ボギーと、右の林に入れた17番ではダブルボギーもあったが、「おかげで開き直って18番は入れることができた。今後の課題でもあるけど、良くも悪くも自分らしかった」と、本戦の最終ホールで手前2メートルを沈めてバーディ。

応援に駆け付けたご家族の前で、かっこよくガッツポーズを握った。

通算3アンダーで上ってしばらくして、片岡尚之(かたおか・なおゆき)とのプレーオフに突入。
先手のティショットを右に曲げた瞬間、「ようやく芽生えました」と、原はいう。

「“負けたら悔しい”という気持ちが初めて出てきた」

松山英樹や石川遼と同学年で、ジュニア期は松山と同じ四国でプレー。
2006年の「日本ジュニア」では、石川らを抑えてのV経験もあるが、12年のプロ入り後はツアーの出場資格も得られない時期が長く続いた。
昨季は、賞金ランク72位で44万円足りずに、初シードを逃しており、2日目の首位獲りにも「今週で初シードを決めて…」と、堅実な目標を語っていたが、「これに勝てばマスターズに行けるのか」。

メジャー切符付きのビッグタイトルが目前に迫ると平常心ではいられなかった。

プレーオフの2打目は林の中から低く打ちだし、3打目勝負で2メートルには乗せられたが「最後のパットも上手く手が動かなくなって、少しミスパットになってしまった」と、決め切れずにボギーで終戦した。

JGTOと出場カテゴリーが異なる本大会は、予選会を突破しての出場。
勝てば大会史上初の“予選会通過者V”だった。
「こういうポジションでプレーできたという嬉しさと、プレーオフに負けた悔しさと。いま複雑な気持ちです」。

予選会からの大金星は逃したが、単独2位賞金2310万円を加えて、賞金ランキングは前週の54位から、29位に浮上(3183万6382円)。
当初の狙いは果たせた。

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