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ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント 2025

22歳の新人・福住修が双子の兄・将に届ける大活躍

22歳の新人が、とんとん拍子でV争いに割って入った。
福住修(ふくずみ・しゅう)が5アンダーの「66」。通算10アンダーで、賞金1位の生源寺ら6人並びの3打差2位に浮上した。



難ホールが続く前半、1オーバーでのターンは「もったいない」と悔やまれるが、1メートルのチャンスを決めた11番を契機に7メートル⇒2メートル⇒50センチと、4連続バーディを決めたバックナインは壮観。
さらに16番では2メートルを沈めると、18番では3Wでピン6メートルに2オン成功した。
イーグルこそ逃したが、最後のチャンスホールも楽々バーディ締め。

今季デビューしたばかりのルーキーが、ゴルフと祭りのコラボイベントで集った満員の観客を沸かせた。

専修大学4年の12月にプロ転向し、今季QTランク41位で臨んだが、9月の出場優先順位の組み換え(リランキング)で51位と順位を下げ、本大会も、もとは出場権がなかったが、プロ初優勝を達成した10月のチャレンジトーナメント(ACNツアー)「石川遼 everyone PROJECT Challenge」のV資格で、先週の「フォーティネット プレーヤーズ カップ」に出て、自己ベストの8位を記録。

前週トップ10の資格で出る今週もまた、再びビッグチャンスを迎えている。
「チャレンジで1勝したり、先週はレギュラーツアーで初めて上位に入ることができ、自分もプロの世界で通用する部分があるんだな、と自信が持てたことが大きい」と、はきはき語る。

今年のレギュラーツアーはこれが8戦目。
出場試合数の兼ね合いで、参考にはなるが、平均飛距離「307.8ヤード」は、部門別で8位に相当する記録。

それでいて曲げないショットを武器とし、「ドライバーでチャンスに置いて、2打目以降も1打1打真剣に。焦ることなくひとつずつこなしていく」と、最終日の抱負を語る。

お父さんの影響で、共にゴルフを始めた双子の兄・将(しょう)がいる。

「小、中、高、大と、ずっと一緒。同じゴルフ部で、ライバルとして切磋琢磨してきた」と、ここに至るまでのゴルフ人生も、顔ももちろんそっくりだが「別人格です」と、笑う。

「プレースタイルも、スイングもぜんぜん違って。僕は横に振っていくけど、お兄ちゃんは縦に振るイメージです」などと違いを明かし、「今週は僕が成績を残してお兄ちゃんが安心して臨めるように」。
次週、出場予選会のQTセカンドを控える兄にも響く数珠つなぎの活躍を胸に期す。

2週続けてトップ10なら、次週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」にも出場できる。
すでに今季の最終戦が終わったACNツアーではポイントランク3位。来季の出場資格はすでに確保してあるが、このままチャンスをつなげて賞金シードが得られる上位65人に入ればさらに好条件で来季に臨める。
いっそ初優勝ならなおさらだ。

レギュラーツアーで初のV争いでは、高知県の明徳義塾中・高校で習った瞑想がおまじない。

「焦った時や、忘れ物をしたときに2、3分ほど目をつぶる。授業の前に教わった。昨日の夜も電気を消してやりました」。
最終日も心を整え偉業に挑む。

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