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石川遼 everyone PROJECT Challenge 2025

ロケットスタートが功を奏した福住修がプロ初優勝を飾り、ポイントランキング2位に浮上

単独首位で最終日を迎えた福住修だが、その差はわずかに1打差。

「ティショットを落とすエリアが結構狭いホールが多いですし、1打差はあってないようなリードだと思います」。となれば、早々にリードを広げたいところだが、スタートの1番パー4でいきなりチャンスがくる。ピンまで残り90ヤードから58度のウェッジを振り抜くと、ボールはピンそば1メートルにピタリ。それを沈めて幸先よく発進すると、5番ホールまでに4バーディと一気に2位以下に差をつける。

「1番のバーディでエンジンがかかった感じがありましたね」と振り返る。



アウトにはスコアボードがなく、自分の位置を知らずにプレーしていたが、ハーフターンの時点ではなんと2位以下に5打差をつけていた。しかし、福住は気を緩めることはなかった。「インコースのほうがスコアを伸ばしやすい反面、しっかり難しさもあるので、1打1打真剣にやらなきゃと思いました」。


今季、単独首位でスタートした『住地ゴルフチャレンジゴルフトーナメント』では1打差の2位に終わっただけに、1打の重みは十分理解している。
適度な緊張感のおかげもあり、インに入ってからもスコアを2つ伸ばしたが、そう簡単に勝たせてくれるほどACNツアーも甘くはない。2位と4打差で迎えた16番パー5、福住はティショットを大きく曲げる。セカンドを刻むしかなかったが、3打目が250~260ヤードも残った。そのショットがバンカーにつかまり、4打目でようやくグリーンをとらえたが、3メートルのパーパットを残した。「2位の高野碧輝さんがバーディ確実な状況だったので、残り2ホールを3打差と2打差で迎えるのは大きな差だと感じていました」。2打差ならバーディ、ボギーで一気に並ばれる。
そんなプレッシャーを感じながら、軽いフックラインと呼んでストロークすると、ボールはカップの中へと消えていった。
「あのパーパットを沈めたことで、優勝に大きく近づけたかなと思いました」。



残り2ホールでパーを並べ、2位に3打差の通算18アンダーで逃げ切った福住。ツアールーキで迎えたシーズンでプロ初優勝を飾った。

「今季の前半戦は苦しみましたが、残り3試合となった時点で優勝できたのはすごくうれしいです」。

今回の優勝でポイントランキングは一気に2位に浮上。来季のレギュラーツアー、フルシードを獲得できる1位が視界に入ってきた。


将来的にはPGAツアーでの活躍を目指す福住。そこまでの階段を駆け上がるためにも、「ショットとパッティングの安定が課題です」という。ツアープロとして、ようやくハードルを1つクリアしたが、安心することなく、その視線は遥か先を見据えていた。


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