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石川遼 everyone PROJECT Challenge 2025
苦労人・加藤龍太郎が今大会2度目のベストスコアをマーク 自己最高の3位タイフィニッシュ
「今までよくなかったことばかりだったから、こうやっていいゴルフができて純粋にすごくうれしいです」。
ラウンド後、加藤龍太郎が頬を緩めた。高3時にプロも出場する中四国オープンで優勝したり、大学1年時に日本学生ゴルフ選手権で3位に入るなど、アマチュア時代から活躍。しかし、13年にプロ転向してからはなかなか結果を出せず、レギュラーツアーでの生涯獲得賞金額は70万6500円だった。長らく下部ツアーであるACNツアーが主戦場をするも、優勝はなく、今季も10試合に出場して最高位が53位タイ。予選通過が2試合しかなかった。
そんな加藤が初日に7アンダーをマークして単独首位でスタート。2日目にスコアを伸ばせず、6位タイにまで順位を落としたが、最終日に再びベストスコアタイとなる6アンダーをマーク。通算14アンダーまでスコアを伸ばし、今季はもちろんプロ最高位となる3位タイでフィニッシュした。
「今日のゴルフでちょっと自信もついたし、大分収穫になりました」。スタート時点では結構な緊張に襲われた。6位タイとはいえ、首位とは4打差。十分に逆転優勝を狙える位置だったからだ。「目標は7アンダーか8アンダーでしたが、6アンダーでも十分です。奥田靖己さんからいわれたことも実践できましたから」。奥田には今大会の直前にスイングについてアドバイスをもらっていたが、それだけでなく、最終日の前日には励ましのLINEも送ってくれたという。「何もビビらずに、自分を出していけ、自分のゴルフをしてこいって感じです」。そのことばどおり、自分の持てる力を最大限に発揮できた。
3位タイで得た賞金額は105万3000円だが、それ以上に大きいのは175.500ポイントを上乗せできたことだろう。その結果、ポイントランキングが163位から50位にジャンプアップ。来季のレギュラーツアー前半戦の出場権を得られる20位以内に大きく近づいてきた。
「残り2試合での目標は優勝です。たとえ勝てなくても今のスイングをしっかりつくっていけば、QTからでも這い上がれると思います」。暗闇の中をもがき苦しんでいた加藤に、ようやく明るい光が差してきた。













