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石川遼 everyone PROJECT Challenge 2025
成るか究極の下剋上 163位でも優勝すると20位以内に浮上する加藤龍太郎
冷たい雨が降りしきる中、8バーディ、1ボギーの64をマークし、単独首位に立った加藤龍太郎。
ホールアウト後に出てきた最初のことばは、「自分がビックリです」だった。
実際、今季の成績は『住地ゴルフチャレンジトーナメント』の53位タイが最高で、出場10試合中2試合でしか予選を通過していない。当然、獲得ポイント数も低く、26.197ポイントの163位と低迷していた
。そんな状態にいながら、いきなり7アンダーというビッグスコアを叩き出したのだから驚くのも仕方ないだろう。しかも、スタートの30分前にコースに到着して、ちょっと練習しただけでティオフしたうえでの成績だから驚く。
ただ、少なからず、ゴルフの調子がよくなる兆しはあったという。「実は先週、奥田靖己さんからスイングについてのアドバイスがあり、それを実戦することだけに集中していたら、練習ラウンドからいいゴルフができたんです」。奥田には20年ほど前から教わっているという加藤だが、その間に心に残ったアドバイスは数え切れないほどあったという。今回のアドバイスは感覚的な話だけに具体的に説明するのは難しいらしいが、奥田理論を熟知している加藤だからこそはまったのだろう。
今回、ティショットこそラフにつかまる回数が多かった加藤だが、ラフからでも面白いようにピンに寄ったという。「ずっとバーディチャンスが続いているような感じでした」と笑う。7番ホールでこそ7メートルのバーディパットを沈めたものの、それ以外は2メートル前後の距離につけていたのだから、その気持ちも理解できる。もちろん、いくらカップまでの距離が近くても必ずカップインできる保証はない。確実にその距離を沈めたパッティングもビッグスコアの要因だろう。
仮に優勝でもすると、一気にポイントランキングが13位ぐらいまでアップする加藤。20位以内の選手には来季前半戦の出場権を与えられるが、その圏内に浮上する。しかし、加藤にはまだ優勝の2文字は見えていない。
「初日が終わったばかりですし、とりあえず明日どうなるかでしょう。それよりも今の自分は奥田さんから教わったポイントをしっかり守るだけです」。その結果、「上位に食い込むことができれば」と再び笑って見せた。













