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ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント 2025
比嘉 VS 古川ふたたび。まれにみるバーディ合戦は最終決戦へ
3日目を終えて、首位スコアはすでに23アンダーに到達した。
並び立ったのは、22年賞金王の比嘉一貴(ひが・かずき)と、初優勝を狙う古川龍之介(ふるかわ・りゅうのすけ)の2人。
1打差の3位に、いずれも東北福祉大出身の米澤蓮(よねざわ・れん)と岡田晃平(おかだ・こうへい)。さらに5位タイに、豪州のブラッド・ケネディと、ISPS契約選手の堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)が2差で追う。
また、この日はプロ5季目の黒川逸輝(くろかわ・いつき)が、18番ホールで今季3例目のアルバトロスを達成して3打差の7位タイに浮上するなど、まれに見る伸ばし合いは、いよいよ佳境を迎える。
通算23アンダーの首位で並んだ比嘉VS古川の構図はこれが初めてではない。

昨年の九州サーキットの最終日も最終組で争い、このときは、古川が優勝を飾っている。
改めて当時の古川の印象について語った比嘉。
「非常に期待できる若手が出てきたと。とても上手だし、非のないプレーをするのになんでまだツアーに出られないのかな、いう印象がありました」(比嘉)。
中島啓太(なかじま・けいた)や蟬川泰果(せみかわ・たいが)と同学年で、日大では主将もつとめたが、4年時の22年に受けたQTで2次敗退。
昨季までの2年間は出場資格に恵まれずにいた古川が、ようやく頭角を現したのが今季だった。
主戦場のチャンレジトーナメント・ACNツアー「LANDIC CHALLENGE 12」で初優勝を飾るなど、現在同ツアーの賞金1位を快走しながら、レギュラーツアーでも結果を見せ始めて、こないだの新規開催「リシャール・ミル チャリティトーナメント」では、自身初の最終日最終組を経験して3位に。
敗因は本人も分析済みだ。
「ビビって、インパクトで緩んで、曲がり散らしてしまった」。
反省後にまたすぐ迎えたリベンジチャンス。二の舞は踏みたくない。
今週のキャディもまた、厳しい。
薬丸さんは、PGAツアーで戦う星野陸也(ほしの・りくや)のエース。たまたま今週、空いた体を古川に預けてくれた。
古川がビビったり、焦ったりするたびに薬丸さんは言う。
「25アンダー行ってからが勝負だよ、と」。
隣の声を聞くたび、引き締まる。
3日目も一緒に回った比嘉の存在も、抑止力になっている。
「比嘉さんは、23アンダー行っても悔しそうにしていたんです。そういう、満足していない感じが刺激になる」。
22年賞金王のあくなき姿勢に古川も駆り立てられる。
「きょうは、10アンダーを目標にしていたので、前半は気合が入りすぎて空回りした」と、焦燥した場面もあったが、じっと我慢で8番の連続バーディからまた転機を掴めた。
「後半から落ち着いたらまたスコアが伸びてくれた。特別緊張しなくなってきたのは成長した部分」と、経験を日々着実に血肉にできている。
「比嘉さんは僕のことなんか見てないかもしれないけど僕はバチバチでした。明日も、ゲームを引っ張るくらい引かずにやりたい。チャンスを逃したくない」。
目の前の相手を意識しながら「今週は、最終組だけの戦いではない」と、全体の展開把握も怠らない。
大量アンダーのボードを見上げて「上の2、3人だけじゃなくて、15人、20人…それ以上の戦い。10メートルのバーディパットも入れる気で打つ」。
攻め続けて今度こそ頂点を掴む。














