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南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント 2025

森山友貴が通算16アンダーで父に捧げる嬉しいプロ初優勝を飾る!

秋田県の南秋田カントリークラブを舞台に行われた『南秋田CCみちのくチャレンジトーナメント』の大会最終日。単独首位でスタートした森山友貴が4アンダー67でラウンド。通算16アンダーでACNツアー初優勝を手にした。


 

最後のパットは手が震えていた。

「今日はスコアボードを全く見ずにプレーしていたので、最終18番ホールのグリーンに上がるときに初めて2打差をつけてトップに立っていることを知りました。そこから残りもいいプレーをしようと思ったんですが、最後のパットも手が震えていました」。

ホールアウトしてカートに乗るときも、アテストでサインをする際も体がフワフワした感じで、自分がどうなっているのかわからない不思議な感覚だった。

「ジュニアや学生時代には結構優勝経験はあるんですが、プロ初優勝というのはやっぱり嬉しいですね。今シーズンは序盤からスタート奪取をかけたかったんですが、日本ツアーの洗礼というか、プロの洗礼を受けた感じで全く結果を出すことができていませんでした。諦めるというか、ゼロからもう一度ゴルフをやり直さないと通用しないんじゃないかなと思ってしまうほど精神的にも追い込まれていました」。

 

それでも森山は諦めずにチャンスを待ち続けることにした。そうさせたのは父・政一さんへの感謝の気持ちが大きかったからだ。試合には必ず帯同し、息子をサポート。色々な面で負担をかけていることはわかっていたし、それを返すことができるのは結果を出すことでしかないのもわかっていた。

クラブチャンピオンの経験がある政一さんの影響でゴルフを始めた。「小さい頃はゴルフが好きというかバンカーで砂遊びをよくやっていましたよ」と幼少時代を振り返る。

この日の1番ホールでティショットを打ち終わったあと「気楽に楽しんで」と息子を見送った。そんな父親の気遣いもあってか、最終日の森山は自分のゴルフをやり切れたと喜びを噛み締めながら話してくれた。


 

ジュニ時代に切磋琢磨した仲間の一人に久常涼がいる。今大会の2021年のチャンピオンであり、今はPGAツアーで活躍している。そんなライバルと言える存在からは「待っている」とメッセージがあったそうだ。

まだまだ壁にぶつかることはあるだろうが、この1勝が森山にとって様々なことを乗り越えるための糧になることは間違いない。大きな自信を手に入れた森山の後半戦の戦いぶりに注目したい。


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