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〜全英への道〜ミズノオープン 2025

阿久津「火をつけられたなら嬉しい」田辺プロと最初で最後のタッグで初V

おそらく最初で最後のタッグに、最高の形で報いた。
阿久津未来也(あくつ・みきや)がバックを運んでくれた女子プロの田辺ひかりさんに初Vを献上。
「慣れないこともあったと思うけど、僕の邪魔をしないようにと気を遣ってくれ、“未来也さん優勝できますよ”と、言い続けてくれたのが現実になった」と、感謝した。




出会いは毎年参加していたオフのジュニアイベントだった。
今年3月に再会した際、阿久津が今大会のキャディをオファー。
快く受けてくれたという。

田辺さんは、県境の広島県福山市出身で、ここJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部でのラウンド経験豊富。
20年にここで行われた「日本女子プロゴルフ選手権」では2位につけ、20-21年シーズンに初シードを果たしている。

だが22年にイップスを発症して陥落。現在はステップ・アップ・ツアーにも出場機会がない状況だった。
「試合にも出れないし、気持ちも下がっちゃってる中で、優勝の経験をさせてもらえた」と、初キャディ⇒初優勝を喜ぶ。

「私は何もしていない。聞かれたことに、そうですね、と答えただけ。未来也さんが一人でやった」と、静かにカートを押しながら、阿久津の初Vに未来の自分の姿を重ねていた。
「最高の結果で終わらせてもらって楽しかった。私もこの流れに乗りたい」と、話した田辺さん。

「そういってもらえれば、僕は何もいうことはない」と、阿久津の喜びも倍増だ。
「キャディを頼んでよかったな」と安堵し、「競技から、少し離れてしまっていたところで彼女の気持ちに火をつけられたのなら嬉しいです」。

プレー後も、息の合ったところを垣間見せたが、田辺さんは「キャディはもうやらないと思います」と、笑っていた。
今度は選手として、ぜひ女子ツアーで1勝を掴んで欲しい。


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