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ダンロップフェニックストーナメント 2022

賞金1位はサウナで整う。比嘉一貴「一番といっていいほど勝ちたい試合」悲願の賞金王へ 3位T浮上

賞金2位の好発進に、賞金1位は黙っちゃおれない。
比嘉一貴(ひが・かずき)が、2日目の「65」で通算8アンダーまで伸ばして3位タイに浮上。

「残り3戦で、もう1勝したい気持ちが強い」と、悲願の賞金王獲りへ奮い立つ。 賞金ランキング



2アンダーの27位タイ発進した初日は、比嘉を約3991万円差で追う賞金2位の星野陸也(ほしの・りくや)が3位タイにつけた。

3週前の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」で今季初Vを達成し、先週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」では石川遼とプレーオフを戦い2位だった。

「リクヤが調子良いのは知ってるし、今週も来るだろうなと思っていた」と、予想したとおりの好発進だったが、賞金1位の立場でこのまま快走を許すわけにはいかない。


「リクヤは必ず上がってくる選手。僕が落とさないように。むしろ追いつこう」と、実際は追われる立場でいながら、自身が追う身と想定してレースに臨み、この日は6位に後退した星野に取って替わった。


誰もが疲労困憊のシーズン終盤。
男子ゴルフを引っ張る身で迎えた今年は、通常の何倍もの重圧を背負うが、「痛いところはない。気合いも十分ある。まずは気持ちが落ちないように。あとあと響くプレーがないように」と、ツアー最小の小さな巨人が気力を絞る。


この予選2日間は、いま世界一の成長株といってもいいハタチの新鋭にも元気をもらった。

20歳でのPGAツアー2勝はウッズ以来の偉業である。韓国の新鋭トム・キムは、比嘉がまだ日本ツアーの出場資格がなかった時代にアジアンツアーで幾度か対戦したこともある選手である。


「当時、彼はまだ17歳でしたけど、すでに安定感はバツグンでした。今はますます磨きがかかって、20歳とは思えない完成度がある」と、感心しながら2日目の通算スコアでしっかりと肩を並べて共に3位で決勝へ。


今年、49回目を迎えた本大会は、「ちょうど僕がゴルフを始めた頃に、ウッズが来て。テレビで釘付けになったことを覚えています」と回想し、「数あるトーナメントの中でも一番といってもいいくらい勝ちたい試合のひとつ」と、それも火をくべる材料だ。

張り詰めた心と体は、いま男女ツアー共にブームが起きているという、サウナでつかの間の弛緩。
前夜も“火付け役”のサウナマスター、堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)と一緒に入り「これから僕たちで、男子ゴルフを盛り上げて行きましょうよと、話し合いました。きょうも行きます」。
週末も整いそうだ。

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