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日本プロゴルフ選手権大会 1999

パット数20でジェットが単独首位で最終日を迎える

 パット数『0』のホールが5個。前半のパット数12、後半が8。トータル20パット。1イーグル、5バーディ(1ボギー)の66で、尾崎健夫が2位に4打差の通算6アンダー・首位に踊り出た。
 3番ミドルでピンまで6メートルをチップイン。
 5番ロングではサンドウェッジで、残り30ヤードを入れてチップインイーグル。 14番ミドル。グリーン右横のラフから、約3メートルを入れてチップインバーディ。
 15番ミドル。グリーン奥から6ヤードを、サンドウェッジで。
 最後のチップインは17番ロング。
 2打で、グリーン左奥のバンカーまで持ってきた球は、ピンを大きくオーバーして、あわや反対側のバンカーに入りかけたが、ラッキーにもピンから3メートルのところにあった同組の高橋勝成のボールに当たって止まった。
 これまた、パターでしずめてこの日、5つ目のチップインに成功。
「オレってすごい? 最後の18番もグリーン外からパターで打って入りかけて、オイ、これも入ったら、1ラウンドのチップイン最高記録じゃないかって思ったくらいだよ。
 きょうは、ピンの裏へ裏へつけたことが成功したね。あえてそうしたんだよ。ここのグリーンは、ピン奥が必ずしも下りの難しいラインとは限らないからね。わざと、グリーン奥にはずしたホールもあるよ。
 逆に逆に攻めたんだ。そのほうが安全だって思い込めたから。グリーンをはずして、まっすぐののぼりのラインが残るようにアプローチして、OKパーにしようと思ったら、それがうまく入ることが多かったんだね。ほとんどのホールでそれをやったよ。奥の方へ打っておけば、上りのチップないしパターが残せる。そう思ってやったんだ。
 フェアウェーから、あえて奥に攻めるのは勇気がいることなんだけどね。ラフからなら、思いきって、はずせるんだけど。上りの、まっすぐのチップショットに賭けてたんだ。
 今週は、アイアンが切れまくってるんだ。名古屋(クラウンズ)から切れてきてるな〜というのはあったんだけど、でもまだ、球筋を決めようとしているようなところがあった。
『切れる』というのは、ラインも、球筋も、決めようとなんか思わないときのことを指すんだ。
 切れているときというのは、ピンも狙ったりしない。自然のカラダの回転で、自然に構えて打っていく感じなんだ。方向や、距離感を難しく考えたりしない。何も考えずに、スパ−ンと打っていける。インパクトでヘッドが抜ける。自然にいい回転が出る。
 ボクはスイングは、技術的につきつめないタイプだから、何も変えたりはしていないけど、もしかしたら、今年の4月からはいている、スパイクレス・シューズのせいで、よくなっているのはあるかもしれないよ。
 ボクはいままで、スイングのとき、足がすんごく動いていたのね。足幅ひとつ分くらいは軽く動いていたかな。前に押し出すような、ヘッドの抜け方をしていたのが、いまはそれがないね。スパイクレスを履くと足が動かせないから、足の内側に体重を乗せて、カラダがぶれないように打つ。それで、飛距離は前より出なくなったけど、アイアンがすごく切れるようになった。今週は最高にいいよ。
 明日は4打差、願ってもない差だよ。6年前に勝った(KSBオープン)あとは、なんどもいい位置にいて勝てなかった。でも、追いかけるより、逃げるほうが、ゴルフはやさしい。自分がダメになったらあっという間に抜かれると思うけど、この自分さえ見失わなければ勝てると思ってる。勝てなければ、20年、いったい何をしてきたかわからない。こえで逃げ切れるくらいのことは、いままでで鍛えられているはずなんだ。これまでやってきたことを、すべて出さないといけないと思ってる。
 明日は自信をなくさないようにやる、それだけだ」 

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