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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2019

2日目の明暗

今週は、シード権争いの選手たちにとっては、事実上の最終戦。29日の大会2日目には予選カットが行われ、決勝ラウンドに進めなかったことで、シード落ちが決まった選手たちはその場で次週に行われるファイナルQT(12月5日〜10日、茨城県・セントラルゴルフクラブ 東・西コース)のエントリーを済ませて帰る。

だが51歳の手嶋多一は、要項を受け取らなかった。

賞金シードを継続中の選手では最長だった22年連続がついに途絶えたのは、昨年。
今季は、14年の日本プロで得た5年シードの適用最終年度での復活を目指したが大会は93位タイで、賞金ランキングは81位に終わった。

「今年は毎週、予選を通るのに必死で。予選を通っても、上位に行けるゴルフができない」。
今季は出場20試合中、11試合の決勝進出で「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」の27位が最高。
「この歳ではさすがに…QTは行きません」と、出場権をかけた予選会のQTを受けないかわりに、来季は生涯獲得賞金25位内の資格を行使して出場するつもりという。
「若手の飛距離も伸びているし、なかなか結果に結びつかないし、来年はシニアに出る回数が増えると思う」と、ベテランは尻込みしたが、前途有望な28歳は逃げるわけにはいかない。

賞金ランクは111位で、16年から3年守った賞金シードを失った大堀裕次郎。
「残念ですけど、全然前は向いているので大丈夫です」。
昨季、エースの1Wが破損したのを契機に、今年は軽いイップスを発症。
「高校生のときから数えてこれで人生3度目くらい。つらいですけど、これを乗り越えたら今までの自分を越えられると思う。今までもそうでしたから」と、気丈。

来季以降の出場権を持ちながら、賞金シード落ちに泣いた谷口徹は、恒例の宮崎合宿に誘ってくれたりする恩人だ。
「シニアでゆっくりすればいいのにな、とも思いますけど、それじゃダメなんですね」と、51歳の執着心に感化。
石川遼や松山英樹と同学年。「僕も頑張らないと」と、大堀が気合を入れた。

この日は大堀のほかに、最終日を待たずに、上井邦裕(賞金ランク75位)、竹安俊也(同76位)、詹世昌(センセショウ、77位)、ワナスリチャン(95位)、谷口徹(99位)、デービッド・オー(105位)、また初日に棄権を申し出たプラヤド・マークセン(同70位)らのシード落ちが決まった。

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