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中日クラウンズ 2019

宮本勝昌が″令和初日″の首位獲りに成功

3選手が″令和最初″の首位に並んだ。
ピーター・カーミスは、W杯と五輪に出たくて南アフリカからギリシャに国籍を移した陽気な38歳。
日本勢は昭和生まれのベテラン2人。先月、40歳になったばかりの貞方章男と宮本勝昌が、4アンダーを出した。

5月1日の譲位が済んで2日が過ぎてもちまたにあふれるお祝いムード。
こんなとき、世間のブームに乗るのが得意なのが、宮本である。

「どのチャンネルつけても令和。新聞ひらいても、令和。今日良ければ、令和第一号になれるのかな?」。
いくつになっても、目立つことが大好きだ。
「頑張ったら、令和一発目で名前を載せてもらえるのかなと思って頑張りました」。

前のほうで回る貞方が、まず4アンダーで上がってターゲットができた。
「僕も4まで行けばあるぞ!」。
46歳も、無邪気にリーダーボードにのぼった。

初日の和合は朝から強い風が吹いたが「パッティングがよいので、ゴルフの組み立てがしやすい」。
ゴルフに流行りを取り入れるのも上手。
先々週の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」の最終日から採用したのは39インチの中尺パターだ。
「PGAツアーで流行っているみたい」と、そのシャフトを左腕に沿わせて構える、いわゆる「アームロック風」(宮本)の打ち方が、奏功している。
「ロングパットの距離感にはまだ違和感がある」というが、それも日に日になじんで「楽に2パットでしのげるというのがいい。ストレスフリーでできますね」。

投入のきっかけは、春のオフ合宿だった。
18歳の研修生が、使いこなしているのを見て、聞けば「中1からです、と」。
丈の長いパターは長年やってきて、腰痛やアドレス時に手が動かなくなるいわゆるイップスの症状に悩んだベテランが使うものという頭が宮本にはあったが「時代が違うな、と。やはり令和だな」と、昭和47年生まれにはそんなことにも新時代の到来を感じてヒントにした。

この日″令和初日″の朝には「突然、ボールも変えた」。
タイガー・ウッズが今年のマスターズ時に使っていたもので、「次元が違うように感じた。心が打たれましたね。欠品だと聞いたので、無くなる前に使わなくちゃ」と、あの感動の復活劇にもしっかりと乗っかった。

試行錯誤を積みかさねて″令和初日″の首位獲りに成功。
「和合で4アンダーで回れたというのは自信になる。やれるぞって気持ちになる」。
昨季は賞金ランキングによるシード権の確保に失敗。
自身も″復活″がかかる令和元年は、新時代の幕開けに合わせてその兆しをアピールできた。

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