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「僕もいちファン」石川遼がシブコさんに感謝(日立3ツアーズ選手権、12月15日)

今年の男子と女子とシニアの対抗戦「日立3ツアーズ選手権」は、代表6人合わせて18勝を誇る女子が、2位のシニアに4ポイント差をつける圧勝。
まさに、最強ツアーの称号を欲しいままにした。
大会MVPは、小祝さくらさんが獲得。
選手代表の優勝スピーチは、チーム最年長の上田桃子さんが指名を受けた。
満員の観衆に二言、三言、感謝の言葉を述べると、上田さんはさっと身を引き、「多分、みなさんが聞きたいのはシブコちゃんのコメント。シブコちゃん、お願いします!」。

突如、マイクを振られてもニコニコと進み出て、ファンとチームへの熱い思いをしっかりと述べた。
今の女子ツアーのかたい結束を象徴するような、ほほえましいシーン。
その中心で、ひときわ輝いている。開会式のステージパフォーマンスでは女王・愛さんと、一番の拍手と歓声を浴びた。
今年最後の笑顔見たさに駆け付けたギャラリーは6500人超。今年の3ツアーズ決定戦はシブコさんに開けて、シブコさんに終わった。

渋野さんが、”ハニカミ王子”の優勝をニュースで見たのは、まだ8歳のときだったという。
渋野さんの地元岡山の東児が丘マリンヒルズGC(マンシングウェアオープンKSBカップ)で、17歳の史上最年少Vを達成した石川遼が、この男子と女子とシニアの対抗戦に、初出場を果たしたのはプロデビューの08年。

大会史上もっとも多い9717人の大ギャラリーを集めたのは、史上最年少の賞金王に輝いた09年。今のシブコさんにも負けない大旋風。当時は、まだあどけない少年だった。大先輩たちに紛れてはしゃいでいた。
あれももう、ちょうど10年前のことになる。

今年は渋野さんと同組での対戦が決まった大会前日に、「”王子”と”シンデレラ”がついに」との見出しが新聞に踊った。
「かんべんしてください」と、照れた石川。
「シンデレラはいいですけど、王子はかんべんしてください」と、笑った。

時の移ろいを、やけに感じさせた今年の15回大会だった。
「最初出たときは、僕が一番年下でしたけど、いつのまにかチームで3番目になってる」。
2期目の選手会長が、すっかり大人の貫禄でキャプテンとしてもチームをまとめる姿。
敵チームのシブコさんにも8歳上の先輩らしい、優しい視線を向けた。
「本当に、テレビで見たまんま。会えばみんなをすがすがしい気持ちにさせてくれる子。誰もが魅了される、ファンになる。僕もいちファンです。今日は、一緒に回らせてもらって、夢みたいな時間を本当にありがとうございました」。

男子と、女子とシニアが性別も、年齢の垣根も取り払い、共に同じ舞台で戦いを繰り広げる。揃って1年の感謝の気持ちをプレーに込める。
選手にも、ファンのみなさんにとっても夢みたいな時間はあっという間。
今年も3ツアーの面々に、たくさんのご声援をまことにありがとうございました。

<女子・LPGAチーム>
鈴木愛 (LPGA賞金ランキング1位)
渋野日向子(同2位)
申ジエ (同3位)
穴井詩(会長推薦選手)
小祝さくら (会長推薦選手)
上田桃子(会長推薦選手)

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