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石川遼の‟鉄旅”後編

選手会長の“みちのく鉄旅”も、いよいよ完結。ジャパンゴルフツアー選手会による福祉車両の寄贈は石川遼が、13日の岩手に続いて14日金曜日は宮城と福島へ。
今年の全30車両を東北3県に無事届けて、ひとつ肩の荷を下ろした。

舗装されていない道でも小回りの利く軽自動車「スズキアルトⅬ CVT FF」を引き続き、復興活動に役立てて頂こうと今年も各県市町村に10台ずつ。
この日は、午前中に「スズキ自販宮城」での寄贈式を済ませると、慌ただしくまた新幹線に飛び乗り福島へ。

安齋睦男・福島県社会福祉協議会副会長によると、「まだ約4万3千人が避難を余儀なくされており生活再建のために、引き続き総合的な支援が必要とされています」。

8年前の3月11日。
「僕なんかには、想像もできないようなことがこの地で起きて」。
復興は着実に進んでいると見えて、まだまだ苦しんでいる方々がこんなにもおられる。
池田、優作、そして石川。選手会が8年前に、前年度の賞金総額の一部(約3000万円)を拠出して岩手と宮城、福島の3県に贈ると決めて以来、歴代の選手会長の誰もが毎年この貢献活動に際して震災の大きな爪痕を、改めて自分たちの問題と受け止め、課題を持ち帰ってきた。

「毎年、選手会で話し合うのはみなさんに、本当に必要とされているものをお届けしていこうということ。軽自動車の寄贈は今年で180台となりましたが、まだまだ必要というお話を頂きましたので、今年もこの運びとなりました。これは、選手全員の気持ち。それを背負って今日は来ました」。

今年も選手たちの思いを無事、届けられた。
今度はみなさんのお声を、お土産にもらった。

「継続して必要不可欠な車両を寄贈いただけることに、心から感謝を申し上げます」(西坂雄治・福島県西郷村社会福祉協議会会長)
「移動手段として軽自動車は欠かせず、有意義に活用させていただきます。これからも選手のみなさんのご活躍を楽しみに、応援していきます」(遠藤尚・宮城県登米市社会福祉協議会会長)。

石川は、「僕らはこのような形でしかサポートできないですが、こうしてみなさまから感謝のお言葉をいただけるとそれが選手たちのやりがいに。みなさまのお声を持ち帰り、来年以降は車以外でも必要なものがあれば検討しなおすなど、必ず選手たちにも伝えます」。

来年は、いよいよ東京五輪だ。
「聖火リレーも福島からスタートします。スポーツの力でますます元気になっていただければ」。
翌々週の男子ゴルフも、福島県が舞台だ。
「ダンロップ・スリクソン福島オープン(6月27〜30日、グランディ那須白河ゴルフクラブ)」は、石川には腰痛からの復帰2戦目。
「僕も再来週、こちらでプレーできることを楽しみにしています」。
みちのく‟鉄旅”は、これにていったん終了。
次の来訪は、本業で盛り上げたい選手会長だ。

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