記事

ユーラシアカップは欧州が初勝利

アジア版ライダーカップは、2年に一度の開催で、大会2回目にしていったん決着がついた。ジーブ・ミルカ・シン率いるアジアの逆転は、かなわなかった。
欧州とアジアンツアーの対抗戦「ユーラシアカップ」は3日間計5.5ポイントのアジアに対して、闘将ダレン・クラークの欧州チームに、18.5ポイントの圧勝を許した。

最終日のシングルス戦。初日のフォアボールと2日目のフォアサムは、ペアを思いやりすぎたりして、戦いづらいという弊害もあるが、最終日こそチーム戦の呪縛から解き放たれて、初回の2014年には引き分けに持ち込んだあの再現を誓って、会場のグレンマリーゴルフクラブに飛び出していったメンバーたちだったが、2度目の奇跡は起こせなかった。

我らが賞金王の金庚泰(キムキョンテ)は「今日はパットが入ってくれた」と、オーストリアのウィスベルガーを3&2で凌駕しても、「昨日、一昨日とこういうプレーが出来なかったから」と、最終日にやっとチームに勝ち点を持ち帰っても遅かった。
「今日やっと勝てたのは良かったけれど、チームが負けたのは気分良くない」。

日本勢として、ただ一人代表入りを果たした片山晋呉は、惨敗だった。この日は、スウェーデンのブロバーグに5&4の快勝を許して、「今日もやっぱりレベルが高かった」と、過去5度の賞金王も白旗をあげるしかなかった。

3日間とも、チームに貢献できないまま終わってしまったが、久しぶりにチーム戦の醍醐味を堪能できたのは収穫だった。
「負けたけど、雰囲気が良かった。いいテンションでプレー出来ていたと思う」と、生き生きとプレーする姿は地元マレーシアでも、シンゴ・カタヤマの存在感は別格だった。

大会は、両チームのメンバーのみならず、その家族や関係者にも揃いのユニフォームを配るなど、随所に絆を深める仕掛けを施す中でも、片山だけには特別に、大会マークの入ったテンガロンハットが支給されるなど心ニクい演出に、片山も精一杯応えた。
チームの結束も日に日に高まって、負けても心は満たされた。

42歳。「自分にとっては今となってはいい経験、というのはあまり必要ないと思うんだけど、それでも1週間楽しく出来たのは良かった」。
仲間とともに、新春早々に感じた高揚感を胸にベテランは次週、アジアンツアーと共同主管の「SMBCシンガポールオープン」に挑むという。

<最終日(シングルス戦)の結果(※アジアVS欧州 ○勝ち ×負け)
×ダニー・チア 4&3 イアン・ポールター
×アン・ビョンフン 3&1 ダニー・ウィレット
×トンチャイ・ジェイディ 4&3 アンディ・サリバン
×キラデク・アフィバーンラト BY2HOLES マシュー・フィッツパトリック
アニルバン・ラヒリ 2&1 シェーン・ローリー×
キム・キョンテ 3&2 ベルント・ウィスベルガー×
×ニコラス・ファン 7&6 リー・ウェストウッド
アン・ビョンフン 引き分け ロス・フィッシャー
×S・S・Pチャウラシア 5&4 クリス・ウッド
×片山晋呉 5&4 クリストファー・ブロバーグ
×呉阿順 BY1HOLE ビクトル・デュビッソン
×プラヤド・マークセン 3&2 ソレン・ケルドセン

※大会の詳細とスコア速報はこちらから

  • キョンテの勇姿を見守るのは・・・
  • 揃いのユニフォームに身を包む夫人。チームの家族も心を揃えてアジアの奇跡を祈ったが・・・
  • 欧州が初制覇

関連記事