記事

最終日(9日)シングルス戦の結果

今年のアジアVS欧州の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」は、欧州チームの連覇で幕を閉じました。アジアは、今年もあと一歩というところで2009年以来2度目の王冠に、手が届きませんでした。

最終日は1勝も出来ないままトータル7対6で、リベンジに失敗。
アジアのキャプテン、ジョー尾崎は言います。
「俺たちが昨日、全勝したことで、ヨーロッパは相当、プライドが傷ついたんだ」。
前日のホールアウト後は、そのことを肌で感じたと言います。

アジアが2日目のフォアボールで4戦全勝したことで、「俺たちが欧州チームを本気にさせてしまった」と、直道は言います。

それにしても、欧州の逆襲は見事でした。厳しい現実に、「ヨーロッパチームを褒めるしかない」と直道は潔く、勝利チームをたたえました。

これもまた、直道が毎年、思うことだそうですが、キャプテンとしての一番の重圧は、なんといってもチームの采配です。
選手の選出から始まり、当日の組合せまで、「本当に眠れなくなるくらい、毎回悩むんだ」と言います。

連日の組合せ発表会は、両キャプテンが互いにドローを持ち寄って、1組ずつ交互にぶつけ合う形で行われますが、間の“シンキングタイム”は1分間。
「あまりに短すぎるよ」と、直道は訴えます。

今大会は、米国VS欧州の対抗戦「ライダーカップ」にならって2006年からスタートしましたが、かの世界的名勝負に思いを馳せて、「あれも1分間なんだろうか……」と、首をかしげた直道。
「もしそうならば、キャプテンは相当のプレッシャーだろうなあ」と、こぼしていました。

また今年はインドのジーブ・ミルカ・シンが開幕前から腰痛を訴えて、出場が危ぶまれました。会場には地元タイのプラヤド・マークセンが控え、みんなで様子を見守りましたが、ジーブ本人が「アジアのために、戦う」と決断を下しました。

しかし、初日は見るも哀れな姿で「出場は失敗だったのではないか」と海外メディアから厳しい質問も飛びましたが、2日目以降はたちまち息を吹き返し、善戦しました。
「体調不良は、確かにプレッシャーにはなかったが、日に日に良いプレーが出来るようになって、みんなの一緒に全力を尽くすことが出来た。後悔はしていない」との力強いジーブの言葉に何より癒されたのも、直道でした。
リザーブのマークセンも、“9人目”のアジア代表メンバーとして、最後は一緒に表彰式に参加して、いつものあの笑顔を見せてくれました。

ですが、もっと良い薬は、やはりチームが勝つことです。
開催国タイの国王の姉の逝去で中止となった2008年を除いてアジアはこれで1勝4敗。来年こそは、悔しさを晴らしたいものです。

<最終日・シングルス戦の結果>

   欧州   7VS6   アジア

× ピーター・ハンソン 7&6 W・リャン
− 盧承烈(ノスンヨル)A/S ヘンリク・ステンソン −
× 池田勇太 2&1 フレデリク・アンデション ○
× 石川遼 4&2 リス・デービース ○
× 薗田峻輔 1UP マテオ・マナセロ ○
× 金庚泰(キムキョンテ)3&1 コリン・モンゴメリー ○
× ジーブ・ミルカ・シン 1UP パブロ・マルティン ○
− トンチャイ・ジェイディ A/S ヨハン・エドフォルス −

  • 美酒に酔いしれた欧州チーム。アジアは来年こそ……!!

関連記事