記事

フジサンケイクラシック 2020

今年初シード。佐藤大平がコロナ禍初戦で自己ベスト3位

今季初シードの27歳が、大混戦のV争いに突如割って入った。15番のパー5で、290ヤードからピンそばのイーグルを奪った。
やにわに首位に並ぶと、次の16番パー3では左5メートルのスライスラインをねじ込んだ。

首位と6差で出た最終日は、同組の堀川が、「64」と爆走。
「自分にもチャンスがないわけはない。あきらめずに未来夢(みくむ)さんについていこう」と、追随からの逆転。

1打リードの単独トップで迎えた17番は、1.5メートル弱の大チャンスだった。

だが「これを入れないと優勝できない…めちゃくちゃ緊張した」。
外して、1メートル弱が残った。
返しのパーパットも、嫌な予感が的中した。
3パットのボギーで後退。
「ボギーはやるんだろうな…と思ったんですけど、やるようじゃ、まだまだダメ。それでは、優勝できない」。
1差でプレーオフ進出を逃して反省だ。

兵庫県宝塚市出身。
8歳でゴルフを始め、高校から故郷を離れて、茨城県の名門・水城へ。10、11年に「関東高校選手権」を連覇。
ナショナルチームに選出された。
同年9月には「台湾アマ」を制して翌12年に東北福祉大に進学。1学年上に松山英樹がいた。

15年のプロ入り後も可愛がられて今オフも、コロナ禍前に米ツアーを転戦する松山に帯同。
米2試合を観戦して「こういう舞台でやりたい」。
気持を高ぶらせて帰国した。

18年のAbemaTVツアーで2勝を挙げて賞金王に就き、19年にレギュラーツアーでフル参戦しながら、PGAツアーシリーズ・チャイナでもプレー。
「ボギーを打って、拍手をされる」という完全アウェイで優勝の経験も。
今大会の勝者には、10月の米国開催「ZOZOチャンピオンシップ」の出場権も与えられることが本戦に入って分かり、一攫千金がかかったが1差の3位。

優勝こそ逃したが、日本ツアーの再開初戦でこれが自身の自己ベストだ。
「今年はコロナで試合がないなか、自分がやってきたことは間違ってはなかったし、成長してるって凄く感じられた」。

でも、ふと「…松山さんは、どう言うかな?」。
先輩の言葉を想像しながら「松山さんがいての今がある。何を言われても大丈夫です!」。
どんな叱責も受け止めさらに前に進む。

関連記事