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HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2018

地元プロ!! 比嘉一貴の目指すもの

地元沖縄仕込みのコントロールショットは、先輩プロも一目おく。日本オープンで、5位タイにつけた東北福祉大で3つ上の竹安俊也も比嘉のスイングを取り入れて躍進を果たしたと知って驚いた。
「ほんとうにやったんだ、と」。
意識して覚えた打ち方ではない。幼いころから遊び感覚で、自然と身についた。
「左を軸にして打つ。スイングに合わせてロフト角も変えている。その打ち方が、他の人にも合うとは限らない。僕が教えたことで、スイングを壊した人もいる」。
当週に竹安に、どうやって打つのかと聞かれた際にもそのリスクを伝えた上で教えたのだが「本当にやるとは思わなかった。しかも日本オープンでしょ。結果が出たのなら、良かったですが」と、大舞台で無謀な先輩には驚くやら安堵するやら。

先輩のシード権の保持に大いに貢献した。得意のショットを自分のプレーにこそ生かす好機が今週、いよいよやってきた。
沖縄に会場を移して2年目の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」で迎える今季の自身7戦目は最初、主催者推薦をいただく予定だったが結局、自力でこぎつけた。

2週前のブリヂストンオープンから引き続いて、先週のマイナビABCチャンピオンシップで6位タイは、2週続けて翌週の出場権が発生するトップ10入り。
トップアマ時から「試合にさえ出られれば、結果を出す自信がある」と言い続けてきた23歳が、痛い目を見たのがプロ転向を決めた昨年。
翌年の出場権を争うQTで、失格という大失態を演じた。
大事なデビュー年も、その道すら断たれたかに思われたがやっぱり比嘉は強かった。
4月、活路を求めたアジアンツアー二部の「BTIオープン」でいきなり優勝。当地のバングラデシュは軍隊が宿の玄関に銃を持つ厳戒態勢。停電でエレベーターが止まって、ホテル9階まで重たい荷物を担いで階段を往復した災難にもへこたれなかった。

さらに、帰国した日本では6月。今度はAbemaTVツアー「南秋田CCみちのくチャレンジ」でプロ初V。自信を深めた。
アジアンツアーのシードも目前に、日本での初シード入りもあともうひとがんばりだ(賞金ランク65位)。
目下、目標はこのまま好調を続けて次週の三井住友VISA太平洋マスターズの出場権を取ること。
今週こそ、うちなんちゅの風を味方に実現できれば、今季初戦の尊敬する大先輩、松山英樹と久しぶりに会える。
「松山さんと、一緒にプレーしたい」。
御殿場に、地元土産を持っていければ最高だ。

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