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ISPSハンダマッチプレー選手権(3回戦〜決勝) 2017

高山忠洋が、3位決定戦を制して苦手競技を克服

片山とリューの決勝戦のかたわらで、粛々と行われた3位決定戦。すっかりマッチプレーに味をしめた高山が、韓国の趙炳旻(チョビョンミン)に勝った。

獲れば勝利が決まる14番パー3は、深いバンカーからぴたりと寄せて、相手のミスを誘った。ラフからのアプローチは寄せきれず、パーセーブを逃した趙(チョ)に4&3で快勝した。

6日の水曜から始まった3回戦から、連日5マッチをこなしてもはや、曜日の感覚もなくなっていた。普段のストローク戦は、木曜からの4日間競技に「今朝は月曜か、と。1日、ずれている感覚。5日間、長かった」。

先月の1回戦から数えて7マッチをこなして苦手だった競技方式を、克服できた。ツアー外競技を含めてこれまで4度の挑戦で、一度も初戦を突破できたためしがなかった。
「マッチプレーはショットでガンガン行かなきゃいけないものだ、と」。思い込みを捨てられたきっかけは、この週火曜日のプロアマ戦。大会主催のISPSのホストプロとして、この1日だけ華を添えたジャンボが、表彰式で「マッチプレーは嫌らしいパットを入れたやつが勝つ」。

「考え方が変わった」。前日の準決勝で、負けたからこそ確信した。イーグルでもバーディでも分け続ける大接戦を共に演じたH・W・リューは、最後の最後に思いも寄らない長い長いパットを、立て続けに入れてきた。

延長20ホール目の1ダウンに倒れて「贅沢を言えば、シンゴさんとの決勝戦。マッチプレー巧者ですべてにおいて、努力している先輩。本当はシンゴさんとやりたかった。悔しくて、昨日はサンドバッグが欲しいくらいだった」。

周囲の慰めで、気持ちを切り替え臨んだこの日の炳旻(ビョンミン)との3位決定戦でもまた、「昨日のような、ロングパットがいつ来るかと。恐怖心もあったが自分が入れ返せばいい、と。昨日の負けを糧に出来たと、課題のグリーン上でも強い気持ちで挑むことができた。

先月の1回戦から数えて6勝5敗と通算成績で勝ち越して、「あれだけマッチに弱かった自分がここまで成長できた」と、ベスト3に39歳が胸を張った。
「シンゴさんも言っていたように、マッチプレーは1戦1戦が決勝戦。食うか食われるかの瀬戸際で、体力的にも、精神的にも、技術的にも強くなれる」。
前夜、帰りがけに買い求めた腰痛シップも幸い効いて、今季自己ベストの3位に自信も出てきた。
「これを糧に、後半戦の優勝争いでも生かしたい」。
5日間の激闘を機に、6年ぶりのツアー通算6勝目に向かう気持ちも沸いてきた。

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