記事

Shinhan Donghae Open 2019

ベストスコアの66で日本勢3番手に。塚田陽亮が池田勇太の喝に発奮

最終日を49位タイから出た塚田陽亮(つかだようすけ)が、この日のベストスコアとなる66を出して、急浮上。日本勢の3番手となる12位タイで大会を終えた。

中3で単身渡米。エリートが集う米フロリダのスポーツ総合学校「IMGアカデミー」で、テニスの錦織圭(にしこりけい)選手らに交じって4年半を過ごして、英語は堪能。
実は国際派の34歳は、史上初の日亜韓の3ツアー共催試合で「海外選手とまわるとフレッシュな気持ちでやれる」。
この日は先週、V2を飾ったばかりの浅地洋佑(あさぢようすけ)も同組で、「いいものが吸収できれば」と、同名だが8つも下の選手も謙虚に見上げて好スコアの一因とした。

韓国にも台風17号が近づいており、最終日は予定よりスタート時間が早められたがそれでも、進路とその影響によってはすぐに競技を取りやめると会場には前日から周知されており、ざわつく選手たちもいたが「マイナスばかり考えてもしょうがない。やるべきことをやろう」と、プレーに集中。

前夜は、日本でくすぶる大親友とのテレビ電話にも発奮した。
同級生で、ジュニア時代からの腐れ縁? 池田勇太も今大会に出る予定だったが、2週前にコースで転倒したケガがもとで、きゅうきょキャンセル。
「今回は、飛行機もホテルも全部、勇太に合わせて取っていたのに振り回されました」とテレビ電話では、そんな愚痴を言う間もなく、池田に逆に怒鳴られたのは「おまえ、下手くそか!」。
叱責の理由は初日から3日続けて、塚田が最終ホールで叩いた3パットのボギーについて。

池田が上がりホールの出来、不出来に誰よりもこだわりをみせることは、選手間でも有名な話で、忸怩たる思いは友人のゴルフに対しても同じであった。
「勇太に言われた昨日の喝もよかったんじゃないですか?」と最終日こそ、親友が忌み嫌った最終ホールの3パットを返上。
後半の6番では、グリーン横から30ヤードのチップインイーグルもあった。
最終日は、インの10番からコースに出る”裏街道”から怒涛の追い上げで、復調の手応えをつかんだ。

16年の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 」で悲願のツアー初優勝を5年シードの日本タイトルで飾ったものの、その後は相次ぐケガにたたられ昨季は賞金ランキングも112位と低迷した。
「ここ数年は思うようなゴルフができていないが焦ってもいいことない。のんびりやっていけたら」。
マイペースを肝に銘じた矢先の好順位。
口は厳しいが、いつも気にしてくれる大親友にも良い土産話ができた。

関連記事